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回答「京都大学ShootingStars・OB(元翼班、01〜03年在籍)さんの場合」
2004 3/22に回答を頂きました。

■Q1:あなたの名前を教えてください。
・鵜飼信

■Q2:あなたの現在の職業を教えてください。
・まだ大学生

■Q3:あなたの所属していたチーム名を教えてください。
・京都大学ShootingStars

■Q4:チームの本拠地はどこですか?
・京都大学吉田キャンパス

■Q5:あなたの活動していた年を教えてください。
・2001年5月〜2003年8月

■Q6:人力プロペラ機・滑空機(鳥コン分類)のどちらを製作していましたか?
・人力プロペラ機

■Q7:もう一方の部門と比較したときの自分の部門の特徴を教えてください。
・パイロットが、操縦するだけでなくエンジンも兼ねてること、でしょうか。見た目がでかい、ってのもありますけど。

■Q8:あなたの作った機体の名前を教えてください。
・Deneb改

■Q9:機体名の由来は?
・前年に作った機がDeneb(星の名)だった。ちなみにDenebはもとの意味が尻。うちの機体はケツペラ(プッシャー式)だったから。

■Q10:あなたの製作していたパート(役割・班)はどこですか?
・翼班(特に主翼)

■Q11:そこは、どんなことをするパートですか?
・主翼、尾翼を制作する。

■Q12:そのパートで、あなたはどんな作業をしていましたか?(具体的に)
・リブ作りがメイン。その他、後縁部分の部材や翼表面のプランク材制作など。最後の1年は班の主任を担当。

■Q13:なぜ、そのパートに所属したのですか?
・単純に、当時、翼班に人手が少なかったから。それに作業も気に入ってたし。

■Q14:自分のパートの魅力を。
・飛行機って、やっぱ翼がメインですから。一番大事な部分ってイメージがありますね。まぁ操縦系が死んでても飛べないわけですけど。

■Q15:それ以外に、特定の仕事を何かしていましたか?
・チーム内の班分けが大雑把だったから、人手の足りない作業は何でも。あと、事務的なことやってました。材料の買い付けとか。

■Q16:製作の中で1番得意な作業はなんですか?(内容がわかるように)
・主翼のリブ作り。って言って内容分かりますか?

■Q17:1番苦手な作業はなんですか?
・前縁の切り出し。つまり、スタイロのブロックに電熱線入れて、主翼前縁の形に切り出す作業です。東工さんは3次元切り出しやってないので、この説明で分かってもらえるかどうか。

■Q18:製作の中で1番好きだった作業は?(理由も添えて)
・やっぱり主翼のリブ作り。作ってるっていう実感がありましたから。

■Q19:1番嫌いな作業は?
・やっぱり前縁の切り出し。ムチャクチャ集中力使うのに失敗が多いんですよ。しかも一回失敗したら300円くらいかかるんです。

■Q20:製作の中で1番大変だと思える作業は?(理由も添えて)
・京大では後縁材制作って作業があるんです。バルサの端を三角形にしてエッジを作るんですが、手先が器用でなくっちゃいけないし、神経も凄くすり減らします。でもやりがいはありましたね。

■Q21:1番楽な作業は?
・うーん…楽な作業なんてありましたっけ。

■Q22:製作では何に1番気を使ってましたか?
・精度…と言いたいんですが、あまりキレイじゃありませんでしたね。

■Q23:自分のパートが他のパートより優れていると思うところは?
・モノ作ってることですかね。他のパートって、そんなにモノ作らないでしょ。翼班だけは膨大な量作りますから。アレ作ったの俺なんだって自慢できますし。

■Q24:自分のパートが他のパートより劣っているかも、と思うところは?
・いっぱい作るから精度が落ちますね。質と量の選択で後者をとってしまうようなところが…

■Q25:製作はどんな環境の場所でやっていましたか?
・すっごく汚い場所ですね。2003年秋の交流会来た人なら分かると思うんですけど。

■Q26:もし、望みどおりの場所・設備で製作場所を用意してくれることになったら、どんな製作場所にしたいですか?
・誰にも邪魔されないところ、ですね。うちの制作場所、劇団とかが利用することもあって、その時は追い出されるんですよ。あとはキレイなところですね。

■Q27:機体製作開始から大会出場までかかった費用はいくらくらいですか?
・計算したことないんですよね。会計もそろばんはじいてくれないし。あと、CFRPは使い回してますから…それでも敢えて言うなら1年で80万円くらいでしょうか?

■Q28:その点についての感想を。
・高いって気もしますが、実際には妥当な数字ですね。

■Q29:機体製作にかかった期間はどれくらいですか?
・8ヶ月くらいでしょうか。僕たちの年は大会出場できなかったので、ダレてたんですけど。本気で作っても7ヶ月はかかったかな。

■Q30:その点についての感想を。
・遅いですね。完成はもっと早い方がいいです。後輩は早すぎるペースで作ってるみたいですけど。

■Q31:部費はいくらぐらいですか?
・入会金2000円、会費毎月3000円でした。但し、試験飛行参加費は別。CFRP買う時ももっと払わせられましたね。

■Q32:その点についての感想を。
・これもやっぱり妥当な数字だと思いますね。

■Q33:試験飛行はどんな環境の場所でやっていましたか?
・学校のグラウンド(狭い!)でやるか、笠岡or飛騨の飛行場でした。飛行場の滑走路距離は600〜800メートルだったと思うんですが。

■Q34:試験飛行についての感想を。
・しんどいけど楽しい。飛行機が浮く瞬間はたまらないですね。感動します。

■Q35:試験飛行で1番印象に残っている場面を教えてください。
・だからやっぱり浮く瞬間ですね。特に最初に浮いたの見た時は今でも覚えてますよ。

■Q36:試験飛行では何に1番気を使ってましたか?
・機体を壊さないことですね。でかい上に脆いですから。

■Q37:試験飛行で1番辛かったことを教えてください。
・何回やっても飛ばない時ですね。走るんで体力も消費しますし。


■Q38:鳥人間コンテストには何回参加しましたか?
・出場したのは1回だけですね(2002年)

■Q39:大会に出場した感想を。
・ドキドキしますね。緊張感とか、凄いです。

■Q40:自チームの大会での結果について感想を。
・うーん。辛いですね。飛べた、とは言えませんから。

■Q41:大会の中で、1番感動したシーンを教えてください。
・一番感動したシーンかと言われると分かりませんけど、プラットフォーム降りる時、通路の上ですれ違ったチームの人に「お疲れ様でした」って声かけてもらったのはいい思い出です。他のチームの人とも、みんなつながってるんだなって気になれましたね。この習慣はずっと残って欲しいですね。

■Q42:大会の中で1番辛かったことはなんですか?
・そりゃあの結果ですから。そのことが一番辛いですね。

■Q43:琵琶湖まで、機体はどうやって運搬しましたか?
・レンタカーでトラック借りました。4トントラックなんで、先輩が運転しましたね。

■Q44:琵琶湖に行くまで、どれくらいの時間がかかりましたか?
・ええっと、2時間くらい? よく覚えてませんね。

■Q45:印象に残っている大会はいつですか?(理由も添えて)
・自分も出場したって点では2002年の大会ですけど、内容で言えば2003年ですね。すごかったですから。

■Q46:印象に残っている、他チームの機体はどれですか?(理由も添えて)
・金沢工大の先尾翼機と、芝浦工大の2人乗り。他にもいろいろありますけど、個人的に思い入れがあるのはこの2機ですね。

■Q47:正直なところ、大会に対する不満は何かありますか?
・そりゃいろいろと。テスト期間とかぶってるし云々…大ありですね。

■Q48:大会参加者として、運営に対する要望はありますか?
・司会とかゲストとかの会話が気に障ることもありますね。もう少し注意して喋ってくれよって。

■Q49:琵琶湖での大会観戦者として、運営に対する要望はありますか?
・司会席の上の傘、後の席に座ると邪魔です。前、見えません。

■Q50:大会で、出場する以外に他の仕事ができるとしたら、何をしたいですか?
(例えば司会がやりたいとか、審判とか解説など。)
・解説はやってみたいですね。

■Q51:逆に、絶対やりたくない仕事はありますか?
・特に思いつきませんが…

■Q52:機体の中で1番お気に入りの部分は?(理由も添えて)
・主翼ですね。人力飛行機のは特に細長いですし、格好いいですよ。

■Q53:自チームの機体について、あそこはウチが1番!と思う部分は?
・ケツにペラがついてることですね。他に取り柄があるわけじゃないし。

■Q54:逆に、あそこは失敗したなぁと思う部分は?
・ケツにペラがついてることですね。どう考えても飛びにくくなってますから。

■Q55:あなたは他チームをどう意識していますか?
・書類審査の段階のライバル、には違いありませんね。でも同じことやってる仲間って意識の方が強いかな。

■Q56:他チームにこっそり教える、自チームの大会での裏話があれば。
・前日に浜辺でカレー作ったんですよ。いやぁ、悲惨でしたよ。ハハ。

■Q57:視聴者にこっそり教える、出場者の大会での裏話があれば。
・2001年大会で司会が「小学校の頃、重いモノほど速く落ちると習った記憶があります」って絶叫してましたね。隣の友人と、思いっきり「んなわけねーだろ」ってつっこんでましたね。番組では勿論削除されてました。全国放送を期待してたんですが。

■Q58:琵琶湖の水を使って、「浸かる・顔を洗う・飲む」。どこまでならやれますか?
・実際に浸かりましたね。湖の上で胴上げしましたし。でも、飲むのはちょっと…

■Q59:もし、琵琶湖以外の場所で大会を行うとしたら、どこがいいと思いますか?
・和歌山県白浜海岸とか。太平洋サイドでしょうね。

■Q60:次の大会では、どの芸能人に出てきて欲しいですか?
・正直、あまり興味ないんですよね、誰が出てこようと。

■Q61:番組編集・放送の点で何か意見はありますか?
・阪神タイガースに負けるな。(2003年、関西地区ではタイガース快進撃のため、放送日時がずらされた)

■Q62:番組編集者になったつもりで、視聴率を上げるアイデアを出してください。
・視聴率リサーチ会社を尾行する。これに決まり!

■Q63:もし、人力飛行機を製作して鳥人間コンテストに出場するという育成型ゲームが発売されたらどう思いますか?
・多分、本物を知ってるからゲームは楽しめないと思う。ゲームだったらどうやったって苦労しないでしょ。

■Q64:鳥人間コンテストの社会的意義は何だと思いますか?
・学生が何かに打ち込める舞台を用意するって、大事なことでしょう。

■Q65:もし、現役中に鳥人間コンテストがなくなったらどうしますか?
・コンテストを目指さない、自主記録とかを目指すチームに方針展開したでしょうね。


■Q66:自分が所属していたチームについての感想を。
・いいチームでしたよ。欠点を数えたら数え切れないですけど。

■Q67:あなたは何をモットーに活動していましたか?
・「作る」ですかね。モットーとか、あまり意識しませんでしたけど、「いいもの」を作りたいって気持ちはありましたね。

■Q68:外部の人に教えたい、自チームの1番の魅力は?
・むむむむむむ…魅力って言われてもなぁ…

■Q69:製作に必要な要素としては、大きく「時間・お金・人手・設備&場所」だと思うのですが、その中でどれが1番重要だと思いますか?
・人手か、設備場所か、悩みますね。その二つはどちらも欠けてましたから、どっちの方が重要かよく分からないんです。

■Q70:では、その中でどれが1番不足していたと思いますか?
・一番不足してたのは人手ですね。

■Q71:さらに、それら以外で重要な要素があれば。
・意思疎通、とか必要ですよね。あとは気持ち、とか友情、とか。人がいるだけじゃ駄目で、つながっていなくっちゃいけないって。それから技術の継承、伝統とかも大事じゃないですか。

■Q72:製作以外の活動で1番面白かったことは?
・いろいろ遊んでましたけど、一番って思い出はありませんね。

■Q73:自分の代の活動で、1番大変そうに見えたパートはどこですか?
・翼班も大変だったけど、操縦系も大変そうでしたね。部員が抜けたりして。

■Q74:自分の代の機体を見て、1番改善の余地のある部分はどこですか?
・主翼とフェアリングですね。見た感じでまだまだでした。

■Q75:自分が活動していた中で、1番大変だった時期は?
・春休みの頃ですね。ほとんど毎日作業してましたし、作業はどんどん遅れてましたから。

■Q76:自分が遭遇した、自チームで1番のトラブルは?
・書類作成の時期、揉めましたね。出場すべきかどうかって。僕が言い出したんですが、あの時のことは今でもよく覚えてます。

■Q77:今だからこそ、自分の代のチームのメンバーに一言。
・自分の好きなことをすればいい。だけど、飛びたいんなら、それだけのことをしろ。

■Q78:この業界に入った理由を教えてください。
・飛行機が好きだったから。ところで「業界」って表現、変じゃないですか?

■Q79:この業界に入ってよかったと思うことは?
・飛行機を作れ、それが飛ぶところを見れたこと。

■Q80:逆に失敗したなぁと思うことは?
・時間はものすごく制約されましたね。お金も結構かかったし、単位は落とすし…

■Q81:この業界に入って得たと思うものは?
・思い出、ですね。

■Q82:逆に失ったと思うものは?
・時間、ですか?

■Q83:あなたは、この活動とそれ以外の生活を両立できたと思いますか?
・あまりできませんでしたね。掛け持ちしてたサークルも辞めちゃったし。勉強も捗らなかったし。

■Q84:両立するコツは何かありますか?
・そんなこと言われても、両立できなかったからねぇ…

■Q85:徹夜で作業するのと、朝早く来て作業するのとではどっちが辛かったですか?
・朝早く来る方が大変ですね。徹夜は我慢さえすればいいですけど、朝早く起きるのは我慢とか言う以前に不可能ですから。

■Q86:この業界に入らなかったら何をしていたと思いますか?
・小説を書いてた。てなわけでOBになった今、小説書いてます。

■Q87:この業界を通じて、将来役立てたいと思うことは?
・必死で何かをやろうとする姿勢、ですね。

■Q88:あなたが思う、この業界での1番の魅力は?
・モノを作るってことですね。そしてそれが実際に動くのを見ること。

■Q89:もし、また鳥人間コンテストに出るとしたらやってみたいことは?
・今度は時間をかけて作りたいですね。じっくり、いいものを。

■Q90:もし、チーム所属当初に戻れるとしたら、どんなチームづくりにしたいですか?
・お互いのことを分かり合ってるチームですね。コミュニケーションがよくできてるチーム。

■Q91:今度はどのパートで作業してみたいですか?
・やっぱり翼が一番ですね。設計もしてみたい気持ちはありますけど。

■Q92:これまでの鳥人間コンテストについての考えを聞かせてください。
・限界を目指して突っ走ってきたのが今までじゃないですか。2003年の大会で、その限界にぶつかってしまったわけですけど。

■Q93:今後の鳥人間コンテストについての考えを聞かせてください。
・難しい質問ですね。日大さんは自主記録のほうにシフトしているようにも見えますし。これ以上の技術の向上があった場合、大会の運営は困難になるんじゃないでしょうか。学生たちの目標として存在して欲しいとは思うんですが。

■Q94:これまでの人力飛行機分野についての考えを聞かせてください。
・年によって変動はありましたけど、着実に記録を伸ばしてきたのがこれまででしょう。当日のコンディションにものすごく左右されてますけど。

■Q95:今後の人力飛行機分野についての考えを聞かせてください。
・どうなっちゃうんでしょうね。風の状態に左右されない飛行機を目指す動きがあってもいいと思います。あとはうちのケツペラはじめ、特徴ある機体がどれだけ記録を伸ばすか、ですね。

■Q96:これまでの鳥人間たちに一言。
・僕たちが活動できたのも皆さんのおかげです。これからも、鳥人間を忘れないでください。

■Q97:これからの鳥人間たちに一言。
・昔のように、ただがむしゃらには活動できないだろうけど、空への夢は捨てないで欲しい。鳥人間の火を絶やさないで欲しい。

■Q98:鳥人間を応援してくださっている視聴者の方々にも一言。
・これからもずっと応援してください。毎年観てください。きっと、毎年ドラマがあります。

■Q99:あなたにとって、鳥人間とは?
・喜びであり苦悩であり血であり汗であり涙である。――要するに、人生です。

■Q100:最後に何かあれば。
・面白い企画でしたね。質問に答える過程で昔のこと思い出したりして、すごくいい時間でした。2時間近くかかりましたけど。

どうも長い時間、たくさんの質問に回答していただきありがとうございました。

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