MOSFET説明   ←エレキtopへ
MOSFETの説明です。(文責 吉井)


サークル仲間からFETがよくわからんといわれたので、ちょっとだけ詳しく話します。
この部品はモータコントローラでもDCDCコンバータでも使うので、結構大事な部品です。
かなり自己満足の解説コーナーですので、暇でしょうがない人はどうぞ!!


高校の物理でトランジスタって習いましたよね?実はあれの仲間です。まずはトランジスタから話しましょう。
トランジスタって言う名前くらいは結構聞いたことがあるかも知れません。
三本の足が生えた小さな黒い部品です。
それぞれの足には役割があって、B:ベース、C:コレクタE:エミッタという名前が付いてます。
基本的な役割としては、BからEに流れる電流を流すと、その何百倍という電流をCE間に流すことが出来るという部品です。あ、もちろん電源はつながないと電流は流れませんよ。
ではFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)はなんでしょう?

やってることは同じなんです。違うのは足の名前と、あともう一つ(これが重要)。
まず足の名前はB→G:ゲート、C→D:ドレイン、E→S:ソースになってます。理由はわかんないです^^;。
次に、これが重要なんですが、トランジスタの場合は電流を電流に対応させましたね?
FETでは、GS間の電圧でDS間の電流を調節するんです。
拡大して見る
↑ごらんの通り足が三本の黒い部品です。

何でこれがいいのか?まず電流は計算がめんどくさい!
例えば、電池の電圧は?といわれると1.5って答えられますが、電流はと聞かれると…???
電流は負荷(電気の使い道のこと。抵抗値と考えてもいいです)が変わるとどんどん変わってしまうから一概に言えないんです(オームの法則ですね)。
それと同じである電流を与えるってのはめんどくさいんです。
電圧もホントは一定にするのは大変なんですが、電流ほど変化しないので、ある電圧を加えるって言うのは楽なんですね。
マイコンにとってみても当然電圧を出力する方が楽です。
さらに電流を流さないといけないと調節できないって事は電力の無駄遣いなんです。
FETは電圧を掛けても電流はほとんど流れません。
要するに電力を使わずに制御してくれるのでスグレモノなんです。


どうですか?分かりました??
わかんないですよねぇ…。では別の見方で説明してみようと思います。
今あなたは風呂の栓のチェーンを持っています。
そのチェーンをどれだけ持ち上げたかをGS間の電圧、出て行く水をDS間の電流としましょう。
栓をちょっとずつ持ち上げていくと、水が流れ始めますね?大きく持ち上げるとたくさん水が出ます。
ここで、どんどん栓を持ち上げていくと、ある程度まで行くと、水の勢いがほとんど変わらなくなりますね。
これがこの水圧(電圧)でこの風呂の穴が流せる水の限界、つまりFETの限界です。
また、最初、チェーンがたるんでいたとします。ある程度チェーンを引っ張らないと水は流れ始めませんね。
FETでもこれが起こります。ある程度電圧を掛けないと動いてくれません。
専門的な話をすると、電流(水流)が変化するところを、能動領域。ほとんど変わらなくなったところを飽和領域といいます。
モータ回路では主に飽和領域か、全く流さないかどちらかのみを使います。

何で能動領域を使わないのか?調節できた方が便利なのに??と思いますよね?ここがミソです。
風呂の栓によって制御されて押さえられた水のエネルギーはどこへ行くのか。
つまりFETでせき止められた電力はどうなるのかというと、になっちゃいます。
可変抵抗と考えればいいですね。FETが抵抗になって電力を熱に変えちゃうんです。
もったいないですねぇ。飽和領域でも、エネルギーは少しロスしています。
いいFETはこのロスが小さくできてます(ほかにも評価ポイントがいっぱいあります。あくまで一つの特徴です)。
しかも、熱で部品が壊れないように対策をとるのも大変です。だから能動領域は使わないんです。
でも制御はしたい!ってことで、DCDCコンバータに使われてるような、スイッチング式の方法をとるのです。

長々書きましたが、ぶっちゃけ、本見れば載ってます…。
ただ、たくさん本があるので、選ぶのがめんどくさーい!という人には役に立ったかなぁ?

つづく???

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