夏休み
12/10/05 22:53
watanabe


お久しぶりです。鳥人間コンテストが終わり、代替わりとなって役職が変わりました。
改めまして、2013年度設計を担当しますWatanabeです。

とりあえず、夏休みの間やってたことを並べます。

・航空機の運動の勉強
・桁破壊試験
・主翼平面形状決定
・コクピ周りいろいろ考えた

主にはこの4つです。4つ目はすごい適当感漂ってますが、あとでちゃんと書きます。

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まずは1つ目。航空機の運動について勉強してました。
8月あたりから勉強をはじめて、9月に入る直前くらいには微小擾乱の運動方程式を用いて人力飛行機の運動を数式モデル化、簡単な操舵応答シミュレーションができるようになりました。

問題は、安定微係数の推算などのモデリング部分がすごくアヤしいというところでしょうか。
剛体としてシミュレーションしているので、諸々の部分で誤差が生じているはずです。どこまで正確なシミュレーションなのか、正直言ってわからないです。
ただ、大まかな運動の傾向を知るためのツールとしては役立つかもしれません。

現在考えているのは、現代制御理論のシステム解析の手法を用いて設計に活かせないか、ということです。
具体的には以下のとおり。
機体を剛体と考えて微小擾乱の運動方程式を使えば、線形で連続時不変な状態空間モデルでモデリングできます。
したがって、状態行列の固有値が各振動のモードの減衰の強さや振動数となります。
すると、何かをパラメータにとって、それを変化させていくと固有値がどのように変化していくかを調べることによって、運動の特性がどのように変わっていくかを調べられるようになるはずです。

この原理を使って、パイロットの要望にあった運動特性を持つ機体を設計できるようになればいいな、と思っているところですね。
とは言っても、パイロットは初めて飛行機に乗る人です。最終的にはTFで調整するしかないでしょうが、過去のフライトのデータを見ながらいい感じに決めていくつもりです。

とりあえず、夏休み中に2011年度の機体「凛」のデータを用いてシミュレーションを行った結果を載せておきます。なお、緑が入力、青が出力です。

エレベータ舵角入力に対するピッチ角応答が以下の通り。
ラダー舵角入力に対するヨー角、ロール角応答が以下の通りです。
yawrall.jpg

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2つ目の桁破壊試験については、結構分量が多いのでまた後日書きます。

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3つ目、主翼平面形状の決定です。
今年は解析ツールとしてGNU OctaveとMATLABの2つを使って設計を行なっています。
MATLABは本来有料ですが、TSUBAMEにアクセスすることにより、MATLABを学生が無償で使えるようになっています。
MATLABの追加機能であるOptimization Toolboxを用いて、最適化することにより主翼平面形状を決定しました。
Optimization Toolboxがかなり使いやすかったので、今後もこれを活用して設計していくつもりです。

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4つ目はコクピ周りについてです。
コクピフレームに大幅な変更を加えます。
2012年度の機体は大幅に後ろ重心となったので、主翼位置をさらに後ろにずらせるようにするため、今回のコクピット後ろ側パイプ、所謂「後藤」を傾ける予定です。
各班の話を聞いていると、今年は前側がまた更に軽くなっていく感じだったので、今年さらに後ろ重心になることを危惧した結果がこれです。
フレームの人たちに話を聞いても作れるというので、この形にすることになりました。

その他にも、イス周りを大幅に変える予定ですが、詳しい話はいずれフレームの人(もしくはパイロット?)が書いてくれると思います。

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今回すっ飛ばした桁破壊試験については、また気が向いたときに書く予定ですので、お楽しみに。
ではまた。

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