2011年8月の記事です。
≪2011年6月 2011年10月≫
書いた人: 新浜京都 | 11/08/14 22:43
昨年の今頃、完成の報告をしたDC-DCコンバータVer.3ですが、大体どれくらいの効率をだしているのかは分かっていたのですが、正確な効率測定をしてみようと思い、数週間前にやってみました。
自作の回路ですので、電源ノイズの影響で数十mA~100mAのオーダーでばたつくことがあったりし、正確な測定には工夫を要しました。(高精度電流計を使って入力と出力の値を写真に撮ったり、アベレージ機能を使ったり・・・)
まあ、同期整流をやっていない状態では(変にトラぶっていなければ)、コイルとPWM周波数で効率は決まるものです。このことは、同期整流をやっていない状態のDC-DCVer.3と、深澤君作のDC-DCを比べて、ほとんど差がないことからもわかります。
一番気になるのは、同期整流をやった場合とやらない場合ではどれだけ違うのかというところです。この差については、出力電圧・出力電流や昇圧・降圧のモードの違いによっても大きく変わることが分かりました。降圧側においては、条件によって変化が大きく、duty比が小さい状況(特に出力電圧が小さいとき)に顕著になることが分かりました。降圧側では、duty比が大きくなると、フリーホイールダイオードを通る時間が減るわけですから、同期整流の効果が減るのは当たり前ですが・・・
たとえば、降圧時では、入力電圧20V、出力電圧4V、出力電流4Aのとき、同期整流なしで76%、同期整流ありで85%(いずれも回路の消費電流込み)という結果が出て、9%の差がでました。この条件において、この差が最大となりました。
一方で、昇圧の場合には、条件によってあまり差はなく、同期整流をした時の方が4~6%程度良くなったという感じでした。まあ、昇圧の場合は降圧と違って、出力電流の全てが同期整流をすべきFETを通るので、条件によらずいつも差が効いてくるのかなという感じです。
ちなみに、同期整流のチューニングがずれて出力側キャパシタ電圧により逆流が少しでも起きていると、同期整流をやったときのほうがやらないときよりもむしろ効率が悪くなることがわかりました。
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書いた人: 新浜京都 | 11/08/10 22:09
ずいぶん前のことになりますが、新歓ミニ四駆大会が終わりました。
前にもお伝えしたように、今回は、深澤君の設計で、出力電圧を一定にする制御をしました。そしたら、かなりいい結果になりました。去年までが大体100数周だったところが、100数十周になったそうです。デューティー比を変更するために車体に触るごとに減点されるのがない、ということもありますが、やはり、最初から最後までモーターにかかる電圧を一定にすることで、効率が良くなったということであります。
実際に、最初から最後まで同じスピードで走って、電池が無くなるといきなりぱたっと止まる感じだったそうです。
最初、定電圧制御するよりも定電流制御した方がいいのではないかと彼が私に聞いてきましたが、定電圧制御の方が良い、と答えました。もし定電流制御をすると、走行抵抗が駆動トルクよりも少しでも大きくなれば停止するまで減速するし、少しでも小さくなればモーターの逆起電力が電池電圧にはりつくまで加速してしまい、そもそも制御回路を付ける意味が無くなります。もっとも走行抵抗が大きい勾配の部分でなんとか走れるように電流値を設定すれば、平坦な区間では9V電池をモーターに直付けしたのと同じ速さまで加速してしまい、効率云々の前に、カーブでコースから飛んで行ってしまうでしょう。
ミニ四駆ような、慣性に比べて摩擦が大きい車の場合は、モーターの役割は加速することにあるのではなく、速度を一定にすることにあるのです。直流モーターは、単に電源につないだだけでも、「速度が低下して逆起電力が低下すると電流が増えてトルクが大きくなる」といった定速フィードバック的な動作をします。にもかかわらず、定電流制御をしてしまえば、このフィードバックゲインをゼロにしてしまうのと同じですから、使い方としては論外ということになります。(安定性がものすごく悪くなります。)
結果的には、定電圧制御をして正解でした。
私、浜は一時的に車班に転向いたします。いい車体をみんなで作ることが大切と感じたからです。
昨年の今頃、完成の報告をしたDC-DCコンバータVer.3ですが、大体どれくらいの効率をだしているのかは分かっていたのですが、正確な効率測定をしてみようと思い、数週間前にやってみました。
自作の回路ですので、電源ノイズの影響で数十mA~100mAのオーダーでばたつくことがあったりし、正確な測定には工夫を要しました。(高精度電流計を使って入力と出力の値を写真に撮ったり、アベレージ機能を使ったり・・・)
まあ、同期整流をやっていない状態では(変にトラぶっていなければ)、コイルとPWM周波数で効率は決まるものです。このことは、同期整流をやっていない状態のDC-DCVer.3と、深澤君作のDC-DCを比べて、ほとんど差がないことからもわかります。
一番気になるのは、同期整流をやった場合とやらない場合ではどれだけ違うのかというところです。この差については、出力電圧・出力電流や昇圧・降圧のモードの違いによっても大きく変わることが分かりました。降圧側においては、条件によって変化が大きく、duty比が小さい状況(特に出力電圧が小さいとき)に顕著になることが分かりました。降圧側では、duty比が大きくなると、フリーホイールダイオードを通る時間が減るわけですから、同期整流の効果が減るのは当たり前ですが・・・
たとえば、降圧時では、入力電圧20V、出力電圧4V、出力電流4Aのとき、同期整流なしで76%、同期整流ありで85%(いずれも回路の消費電流込み)という結果が出て、9%の差がでました。この条件において、この差が最大となりました。
一方で、昇圧の場合には、条件によってあまり差はなく、同期整流をした時の方が4~6%程度良くなったという感じでした。まあ、昇圧の場合は降圧と違って、出力電流の全てが同期整流をすべきFETを通るので、条件によらずいつも差が効いてくるのかなという感じです。
ちなみに、同期整流のチューニングがずれて出力側キャパシタ電圧により逆流が少しでも起きていると、同期整流をやったときのほうがやらないときよりもむしろ効率が悪くなることがわかりました。