2015年11月の記事です。
≪2015年9月 2016年10月≫
書いた人: 神藤 | 15/11/25 22:29
11月7日に千葉県日本自動車大学校にて開催されたWEM最終戦NATS大会に参加してきましたのでご報告いたします。今回は2015年度製作車体SURUMEIKAに加え、2014年度製作車体Daidalosを2年生チームとして出場させ、後輩主体での大会経験を積んでもらうことにしました。
フォームの始まり
フォームの終わり
SURUMEIKA(手前)とDaidalos(奥) なぜか似ていますね
結果は
SURUMEIKA 42周(12位)
Daidalos 30周(20位)
でした。それでは大会当日のチームSURUMEIKAを振り返ってみましょう。チームDaidalosに関しては後で2年生が記事を更新してくれるかもしれない。楽しみですね!
~練習走行~
4回目の大会ということもあって車検までは余裕をもって通過。しかしいざコースを走らせてみると惰走区間での速度が他チームと比べて明らかに遅く、転がり抵抗が非常に大きいことがわかりました。惰走区間メインのNATSサーキットでは消費電力も大きくなり、このままでは30周もできません。
―――――――――――――――――――――――――
今大会では2時間トラブルなく走ることを目標とし複数回テストランを行い、干渉や長時間走行で起こりうるトラブルを洗い出しました。我々にとっては過去最高の状態で大会に臨んでいるつもりだったのですが、"干渉を完全になくし2時間走る"ことを重視しすぎて記録を残すうえで大事な転がり抵抗係数を軽視していました。このような事態に陥ったのは製作前に決めた"後輪操舵導入に伴い前輪ホイールハウスを狭くする"というコンセプトによるものです。
我々の代では秋田大会と袖ヶ浦大会で前輪の干渉が原因のパンクを経験しており、この干渉は前輪ホイールハウスが狭いうえフロントヘビーで前輪が変形することによるものであるのは明らかでした。今大会の準備開始当初はホイールアライメントの調整を重視し、転がり性能の向上を目標としていたのですが、やはり少しの変化で干渉が起こってしまい、テストラン後半は転がりに関しては棚に上げてとにかく干渉をなくすことに目がいっていました。一応大会1週間前に転がり抵抗係数を計測したところ、一昨年よりちょい悪いくらいだったので空力性能で穴埋めできるだろうと妥協していたのですが、まさかここまで差がつくとは...
(アカン)
練習走行終了後お葬式ムードで差し入れのおにぎりをほおばる2015年度エコノムーブ部門執行代の皆様。応援に来てくれた面々もなんだか気まずそうだ。
ドライバー曰く、「直進状態の車体挙動に違和感があるので、ハンドルセンターでの前輪タイヤの位置がおかしいのではないか」とのこと。そこで車体を底から覗いてみると、確かに左前輪がハンドルセンター状態でも少し切れている状態でした。残念。
大会当日に前輪を弄るということは極めてハイリスクですが、「ただでさえ悪い今の状況がさらに悪くなったとしても割とどうでもいい」という当日特有のROCKな判断により、左前輪を調整し本番に備えることにしました。
~本選~
不安しかない状態で本選開始。スタートは見た感じ問題なく、もしかしていけるんじゃないかとか妄想しているのも束の間、2分30秒ほどで練習走行を3倍早送りしたようなSURUMEIKAがコントロールラインを通過していきました。ドライバーに消費電力を読んでもらったところ練習の60%ほどになっており、「嘘つくんじゃないよ!ちゃんと読んで!」と叫んでしまいました。観戦してたほかの人も「ヤケクソじゃん」と言っていました。
状況が理解できなくて背景が霞んで見えるの図
しかし何周しても消費電力は小さく、ロガーの誤作動もなさそうだったので、開始30分あたりで現実だということを認め、楽しくなってきました。テンスョンがあがってはしゃいでる私を見て高校生チームも苦笑いしていました。よかったです。
ホームストレート手前のカーブを、1年かけて完成させた後輪操舵を使って小回りし、他チームとの距離を縮める様子も素晴らしかったです。
その後も一度窓の曇りによるピットインをしたものの順調に周回を重ね、昨年度の先輩が取り出した積算電力から逆算して少なくとも45周はいけるだろうと考えていました。しかし、開始から1時間45分、予定より早く坂の中腹にて電池切れで止まってしまいました。
10分ほど電池の回復を待ち、終了4分前に再スタート。ドライバーがうまくボリュームを制御してくれたようで、坂を登りきることができました。ナイスだ!
転がり性能が飛躍的に上昇したSURUMEIKAは惰走区間をスムーズに進み、終了30秒前にコントロールラインを通過、昨年より1周多い42周を記録しました!
大会全体を通して
大会当日に転がりの問題に直面してしまい、最後まで未熟ではありましたが、なんだかんだで本選はうまく走ることができ、一同うれしく思っております。
練習走行で走行パターンを決められなかったことで消費電力にぶれがあり、電池からうまく電力を取り出すことが出来ませんでした(昨年度と比較すると4周分ほど積算電力が少ない) しかし、50周超えペースでタイムと消費電力を両立できているラップが数回あり、車体のポテンシャルを感じることが出来ました。まだまだ記録を伸ばす余地があるとわかったので反省を後輩に手堅く引き継いでいきます。
引退試合でたくさんの人たちが応援に来てくれたのも感謝感激です。ありがとうございました!
いやぁ、よかったよかったの図
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11月7日に千葉県日本自動車大学校にて開催されたWEM最終戦NATS大会に参加してきましたのでご報告いたします。今回は2015年度製作車体SURUMEIKAに加え、2014年度製作車体Daidalosを2年生チームとして出場させ、後輩主体での大会経験を積んでもらうことにしました。
SURUMEIKA(手前)とDaidalos(奥) なぜか似ていますね
結果は
SURUMEIKA 42周(12位)
Daidalos 30周(20位)
でした。それでは大会当日のチームSURUMEIKAを振り返ってみましょう。チームDaidalosに関しては後で2年生が記事を更新してくれるかもしれない。楽しみですね!
~練習走行~
4回目の大会ということもあって車検までは余裕をもって通過。しかしいざコースを走らせてみると惰走区間での速度が他チームと比べて明らかに遅く、転がり抵抗が非常に大きいことがわかりました。惰走区間メインのNATSサーキットでは消費電力も大きくなり、このままでは30周もできません。
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今大会では2時間トラブルなく走ることを目標とし複数回テストランを行い、干渉や長時間走行で起こりうるトラブルを洗い出しました。我々にとっては過去最高の状態で大会に臨んでいるつもりだったのですが、"干渉を完全になくし2時間走る"ことを重視しすぎて記録を残すうえで大事な転がり抵抗係数を軽視していました。このような事態に陥ったのは製作前に決めた"後輪操舵導入に伴い前輪ホイールハウスを狭くする"というコンセプトによるものです。
我々の代では秋田大会と袖ヶ浦大会で前輪の干渉が原因のパンクを経験しており、この干渉は前輪ホイールハウスが狭いうえフロントヘビーで前輪が変形することによるものであるのは明らかでした。今大会の準備開始当初はホイールアライメントの調整を重視し、転がり性能の向上を目標としていたのですが、やはり少しの変化で干渉が起こってしまい、テストラン後半は転がりに関しては棚に上げてとにかく干渉をなくすことに目がいっていました。一応大会1週間前に転がり抵抗係数を計測したところ、一昨年よりちょい悪いくらいだったので空力性能で穴埋めできるだろうと妥協していたのですが、まさかここまで差がつくとは...
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(アカン)
練習走行終了後お葬式ムードで差し入れのおにぎりをほおばる2015年度エコノムーブ部門執行代の皆様。応援に来てくれた面々もなんだか気まずそうだ。
ドライバー曰く、「直進状態の車体挙動に違和感があるので、ハンドルセンターでの前輪タイヤの位置がおかしいのではないか」とのこと。そこで車体を底から覗いてみると、確かに左前輪がハンドルセンター状態でも少し切れている状態でした。残念。
大会当日に前輪を弄るということは極めてハイリスクですが、「ただでさえ悪い今の状況がさらに悪くなったとしても割とどうでもいい」という当日特有のROCKな判断により、左前輪を調整し本番に備えることにしました。
~本選~
不安しかない状態で本選開始。スタートは見た感じ問題なく、もしかしていけるんじゃないかとか妄想しているのも束の間、2分30秒ほどで練習走行を3倍早送りしたようなSURUMEIKAがコントロールラインを通過していきました。ドライバーに消費電力を読んでもらったところ練習の60%ほどになっており、「嘘つくんじゃないよ!ちゃんと読んで!」と叫んでしまいました。観戦してたほかの人も「ヤケクソじゃん」と言っていました。
状況が理解できなくて背景が霞んで見えるの図
しかし何周しても消費電力は小さく、ロガーの誤作動もなさそうだったので、開始30分あたりで現実だということを認め、楽しくなってきました。テンスョンがあがってはしゃいでる私を見て高校生チームも苦笑いしていました。よかったです。
ホームストレート手前のカーブを、1年かけて完成させた後輪操舵を使って小回りし、他チームとの距離を縮める様子も素晴らしかったです。
その後も一度窓の曇りによるピットインをしたものの順調に周回を重ね、昨年度の先輩が取り出した積算電力から逆算して少なくとも45周はいけるだろうと考えていました。しかし、開始から1時間45分、予定より早く坂の中腹にて電池切れで止まってしまいました。
10分ほど電池の回復を待ち、終了4分前に再スタート。ドライバーがうまくボリュームを制御してくれたようで、坂を登りきることができました。ナイスだ!
転がり性能が飛躍的に上昇したSURUMEIKAは惰走区間をスムーズに進み、終了30秒前にコントロールラインを通過、昨年より1周多い42周を記録しました!
大会全体を通して
大会当日に転がりの問題に直面してしまい、最後まで未熟ではありましたが、なんだかんだで本選はうまく走ることができ、一同うれしく思っております。
練習走行で走行パターンを決められなかったことで消費電力にぶれがあり、電池からうまく電力を取り出すことが出来ませんでした(昨年度と比較すると4周分ほど積算電力が少ない) しかし、50周超えペースでタイムと消費電力を両立できているラップが数回あり、車体のポテンシャルを感じることが出来ました。まだまだ記録を伸ばす余地があるとわかったので反省を後輩に手堅く引き継いでいきます。
引退試合でたくさんの人たちが応援に来てくれたのも感謝感激です。ありがとうございました!
いやぁ、よかったよかったの図