NATS大会・兵庫大会についてのTeamエレキからの報告
10/11/30 16:28
新浜京都


お久ぶりです。エレキ主任の浜です。

一か月前に行ったNATS大会で、以前報告したdc-dc ver.3を利用した昇圧回路に不具合があり、昇圧が不動作になったトラブルがあり、その原因を究明しましたので報告いたします。

原因は、「基盤切削後に発生した設計の変更により、後付けではんだ付けした線のハンダ不良による接触問題」ということがわかりました。以下の写真のピンクの線が、「首の皮一本」でつながっている状態であり、線の残りの部分がボリュームの出力端子にかかっていた可能性があります。この線は、通常GNDと同電位であり、ボリューム出力の電位を下げる結果になり、ボリュームを上げてもほとんど上げていないのと同じ結果になってしまったものと思われます。

対策としては、なるべく基盤切削後の設計変更が起こらないように努力するということと、もしそうなった場合、グルーガンできちんと固定するというものです。

 

HI3D0087.jpg今回の兵庫大会で、ブレーカーが作動するトラブルが頻発し、良い結果を残せなかったことは大変に問題視しています。

この原因は、「回路を高機能化し、配線をを多く搭載した結果、スペースが大変狭くなり、ドライバーが車体に乗る際に、モーターボリュームのコードを引っ張り、コネクタが抜けそうになった結果、モーターコントローラの入力がハイインピーダンスになり、フルスロットルになって30Aを超えたこと」である可能性が非常に高いと思われます。

対策は、細い配線を多用し、ドライバーの乗るスペースを確保して余計な張力がかからないようにすること、もう一つは、きちんとテストランをやることです。今回の例は予見することが不可能でありました。予戦が始まる時に発生し、そのときはもう私が点検することができず、予戦と本戦の間の時間にも原因がわからないままでした。これは、テストランをせずに大会に行くべきではないという教訓になりました。テストランをすれば大会でこのような惨事を引き起こすことはなかったと思います。

問題を起こしたと考えられるコネクタは以下の写真にあります。

HI3D0098.jpg

 

NATS大会、兵庫大会両方に共通していることは、「事前には正常に動作しており、本番でトラブり、事後にはまた正常に動作している」という点です。これは最もタチが悪いケースです。事後にもトラブったままであれば、原因は究明できます。ところが、レース中は私は車体にタッチできないため、事後になおってしまうと原因が究明できず、最悪の状況になります。NATS大会のトラブルは、究明するのに一週間近くかかりました。

どこか一か所でも不具合が起これば致命的になるわけで「今まで動いていたことは、これからも動くことを意味しない」ということを今一度肝に銘じる必要を感じました。また、ドライバーが乗っていない状態ではうまく動き、乗ってしまうと動かなくなるというのは大変タチが悪くテストランの必要性を強く実感させられました。

 

さて、今回の兵庫大会では、エレキはテクニカルな回路で挑戦しました。通常走行・回生ブレーキ・プリチャージ・キャパシタ上乗せ・昇圧の5モードを4つのスイッチで切り替えるようにしました。キャパシタに関しては、過充電保護・逆充電保護を搭載し、安全性に考慮しました。これらのシステムは、以前に報告したdc-dc ver.3を使っています。スイッチは、どのように操作しても誤動作・故障が起こらないように設計しました。

今回、この自作のシステムではなく、いつもの大会と同じ回路になるモードでトラブルを出したことは大変意外であり、残念に思います。しかし、回生回路、プリジャージ、上乗せの機能を有効に使い、坂を登り切れた旨をドライバーから聞いたときは、これは今回の収穫だと思いました。

今回の回路図は以下の通りです。

HI3D0099.jpg

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