ずいぶん前のことになりますが、新歓ミニ四駆大会が終わりました。
前にもお伝えしたように、今回は、深澤君の設計で、出力電圧を一定にする制御をしました。そしたら、かなりいい結果になりました。去年までが大体100数周だったところが、100数十周になったそうです。デューティー比を変更するために車体に触るごとに減点されるのがない、ということもありますが、やはり、最初から最後までモーターにかかる電圧を一定にすることで、効率が良くなったということであります。
実際に、最初から最後まで同じスピードで走って、電池が無くなるといきなりぱたっと止まる感じだったそうです。
最初、定電圧制御するよりも定電流制御した方がいいのではないかと彼が私に聞いてきましたが、定電圧制御の方が良い、と答えました。もし定電流制御をすると、走行抵抗が駆動トルクよりも少しでも大きくなれば停止するまで減速するし、少しでも小さくなればモーターの逆起電力が電池電圧にはりつくまで加速してしまい、そもそも制御回路を付ける意味が無くなります。もっとも走行抵抗が大きい勾配の部分でなんとか走れるように電流値を設定すれば、平坦な区間では9V電池をモーターに直付けしたのと同じ速さまで加速してしまい、効率云々の前に、カーブでコースから飛んで行ってしまうでしょう。
ミニ四駆ような、慣性に比べて摩擦が大きい車の場合は、モーターの役割は加速することにあるのではなく、速度を一定にすることにあるのです。直流モーターは、単に電源につないだだけでも、「速度が低下して逆起電力が低下すると電流が増えてトルクが大きくなる」といった定速フィードバック的な動作をします。にもかかわらず、定電流制御をしてしまえば、このフィードバックゲインをゼロにしてしまうのと同じですから、使い方としては論外ということになります。(安定性がものすごく悪くなります。)
結果的には、定電圧制御をして正解でした。
私、浜は一時的に車班に転向いたします。いい車体をみんなで作ることが大切と感じたからです。