昨年の今頃、完成の報告をしたDC-DCコンバータVer.3ですが、大体どれくらいの効率をだしているのかは分かっていたのですが、正確な効率測定をしてみようと思い、数週間前にやってみました。
自作の回路ですので、電源ノイズの影響で数十mA~100mAのオーダーでばたつくことがあったりし、正確な測定には工夫を要しました。(高精度電流計を使って入力と出力の値を写真に撮ったり、アベレージ機能を使ったり・・・)
まあ、同期整流をやっていない状態では(変にトラぶっていなければ)、コイルとPWM周波数で効率は決まるものです。このことは、同期整流をやっていない状態のDC-DCVer.3と、深澤君作のDC-DCを比べて、ほとんど差がないことからもわかります。
一番気になるのは、同期整流をやった場合とやらない場合ではどれだけ違うのかというところです。この差については、出力電圧・出力電流や昇圧・降圧のモードの違いによっても大きく変わることが分かりました。降圧側においては、条件によって変化が大きく、duty比が小さい状況(特に出力電圧が小さいとき)に顕著になることが分かりました。降圧側では、duty比が大きくなると、フリーホイールダイオードを通る時間が減るわけですから、同期整流の効果が減るのは当たり前ですが・・・
たとえば、降圧時では、入力電圧20V、出力電圧4V、出力電流4Aのとき、同期整流なしで76%、同期整流ありで85%(いずれも回路の消費電流込み)という結果が出て、9%の差がでました。この条件において、この差が最大となりました。
一方で、昇圧の場合には、条件によってあまり差はなく、同期整流をした時の方が4~6%程度良くなったという感じでした。まあ、昇圧の場合は降圧と違って、出力電流の全てが同期整流をすべきFETを通るので、条件によらずいつも差が効いてくるのかなという感じです。
ちなみに、同期整流のチューニングがずれて出力側キャパシタ電圧により逆流が少しでも起きていると、同期整流をやったときのほうがやらないときよりもむしろ効率が悪くなることがわかりました。