久しぶりのフェアリング日記です。
本番用のフェアリングも小物を除いてはだいたいできあがったので、今年の本番用フェアリングについて日記に載せることにしました。
今年の設計ではRhinocerosとsolidworksの両方を用いることで以前のように分割された曲面で設計することなく、一体化した曲面で曲面設計することを可能にしました。また、Rhinocerosを使うことで曲面と曲面をブレンドしてフィレット状の曲面なども生成できるようになりました。
図面(solidworks)
図面(Rhinoceros)
また、翼の非粘性の自動解析プログラムを自作することで、機体のヨーイングモーメントを考えながらパイロットと干渉しないようないい感じの曲率の翼を自動で生成できるようになりました。パネル法では重みつき残差法を用いないと対称性があまりよくないので結局、等角写像法(守屋の方法と今井の方法)を用いました。
翼の解析(パネル法)
さらに、いくつか候補を絞ったあとにXFLR5で粘性の流体の計算をして抵抗をみることでさらに候補をしぼりました。
また、最終的にはスパコンTSUBAME(gambit,fluent)を用いて流体解析を行って翼をつくりました。
(ついでに、粘性(乱流)モデルはすべて標準k-εモデル)
gambitでメッシュを張っている様子
fluentでの解析した様子(2次元)
また、三次元でもスパコンTSUBAME(gambit,fluent)を用いて流体解析(こっそり熱流体解析も)しました。
メッシュ作成1
メッシュ作成2
fluentで解析した様子(3次元)
アウトレット周り
また、製作方法の変更点としては図面がかなり正確なので切り出し方法を接線方向の切り出しを数回やることで精度を上げ、さらに、ヤスリ分を小さくして製作性も同時に上げることができました。
切り出した発泡の画像
さらに、細かい点では結構変えており、今までキャノピは黒の遮熱フィルムで光を吸収していたのですが、今年はハーフミラーの素材を用いて反射率を高めることで遮熱率を保ちつつもパイロットの視界性を確保しました。他にも、透明な特殊な両面テープを使うことで両面テープの跡を目立ちにくくしたり、デザインにグラデーションをかけたり、・・・etc
そして、今年はTF用がきれいに残っていたので安全対策としてパイロット脱出試験もやりました。
パイロット脱出の瞬間
そんなこんなでできた本番用フェアリングが下の写真。
ついでに、フェアリングのレンダリングした画像↓
補足として、abaqusでは下のようにメッシュを張る部分まではいったのですが、解析するときエラーがおきることを解決できなかったので、あとは後輩ががんばってくれるのでは・・・?