2010年10月の記事です。
≪2010年9月 2010年12月≫
書いた人: hysd | 10/10/07 22:39
自転車につけるサイクルコンピュータは今やスピードだけではなく, ケイデンス(ペダル回転数),心拍数,走行ルートなどなど 様々な情報を見ることができる多機能なものも増えてきました. なかでも今もっともアツいのは,「動力の計測」つまり自転車を漕いでいる人が, いったい何ワット出力しているかをはかる!というものです.
人力飛行機というものはとても緻密に設計・計算されるものであり, パイロットには「定常飛行するために~~ワットの出力を出し続けろ」 という感じに設計者から要求されます.
設計コンセプトにもよりますが,低速機(ディスタンス部門)では200~260W, 高速機(タイムトライアル部門)では270~330Wくらいが大体の目安だと思います.
市販の動力計はとても高価であり,趣味でサイクリングをする多くの人にとっては 動力計なんておおげさに聞こえますが,以上の理由から 多くの鳥人間パイロットはパワーメータに興味をもっていたりします.私もそのひとり.
ということで,市販のパワーメータにはどんなものがあるのかまとめてみました. 1:ペダル内蔵型 1-a:MetriGear 多機能コンピュータで有名なGarminの強力バックアップがついた最注目. キャリブレーションも不要(というか出来ない?)というひと品です. ペダル軸のひずみからパワーを計算するそうで,ケイデンスもはかれるようです. さらにペダリングの癖や左右のムラなんかもバレてしまう鬼コーチ. ただし,Speedplayというメーカのペダルでなければなりません. ANT+sportという通信規格を採用しているので,同じ規格のコンピュータならGarminでなくても表示ができます. 発売延期が続いてますが,とても待ち遠しいです. (キャリブレーション:「部材がこれだけひずんだら,~~Nの荷重に相当する」 という換算係数を求める,ひずみ計測実験には大抵必要な作業.) 1-b:Look Polar Keo Power MetriGearがもたつく間に,つい最近発表されたパワーメータ. ペダル会社とサイクルコンピュータ会社がタッグを組んだようです. 原理はMetriGearとほとんど一緒. ただ,こちらはANT+sportを採用していないため融通が聞きづらいという懸念があります. 2:クランク内蔵型 2-a:SRM パワーメータの第一人者で,プロロード選手の多くがコレを使っています. チェーンの消耗や交換の影響を受けるため,セルフキャリブレートができるそうです. こちらはANT+だし信頼性バツグンですが・・・高い・・・ 2-b:Quarq SRMの特許期限切れにより作られたものらしく,特徴もほとんどSRMと一緒.ANT+採用. このメーカの注目すべきはむしろコンピュータの方(右画像)で, GPS内蔵,OSがLinuxという胸熱コンピュータらしいです.当然ですが高価ですorz てことはつまり,このコンピュータを人力機の表示器仕様にプログラミングし, MetriGearのパワーメータを搭載すると・・・という妄想が広がる逸品. どこかのチームやってくれないかなー(チラッ 3:BB内蔵型 3-a:ergomo 3-b:CATEYE PW-TR100(生産終了) どちらも詳細がつかめなかったのですが,BB(ボトムブラケット:クランクの中心) のひずみを計測するもののようです.どちらも有線式で,専用のコンピュータとセットになります. 最近の上位コンポーネントでは「クランク-BB一体型」が多くこの機種は使えないため, 「そんな高価なパワーメータ買うくらいなら上位コンポ買えよ」ってなりそうです. ergomoのコンピュータのデザインなんかは好きなんですがね... 4:後輪ハブ 4-a:CycleOps PowerTap 使用できるクランクに縛りがある他者に比べ,スポークの手組みさえできれば機材を自由に選べる. 比較的安価なためアマチュアライダーに大人気.キャリブレーションも不要.ANT+採用. ただし重量が結構あるため,レースでは結局つけない,という人もちらほらいるようです. 5:チェーンステイ 5-a:Polar Power Kit チェーンステイに取り付けたセンサーからチェーンの動きを観測しパワーを求める異端児. ギアチェンジしたらどうなるの?とか,チェーンの消耗による伸びとかどうするの? などという個人的な疑問は多いです. そんな理由からか,取り付け位置やキャリブレーションがとってもシビアだという噂をよく聞きます. ANT+を意地でも採用しないのはPolarさんにはよくあること. 6:??? 6-a:iBike コンピュータ自体に計測部が搭載されている不思議なパワーメータ. 当然,使用機材の縛りは皆無. コンピュータに当たる風と,スピード,ケイデンスなどを参照してパワーを出すそうです. コンディションにもよるとは思いますが意外にも精度はそこまで悪くないそうで, 手軽であることやANT+対応とあってそこそこ人気らしいです. 昔のWASAのパイロットさんがつけていたような? 人力機への搭載はさすがに無理でしょう... ・・・と,代表的なものを上げてみました. ほかにもコンピュータに限って言えば,iPhoneにANT+レシーバを取り付けて使うアプリ (Digifit Connect,wahooなど)なんかもあるようですね.
人力機への搭載に向いているのはペダル内蔵型とクランク内蔵型(シャフト駆動の機体は不可)でしょうか. 特に重量面で見ると前者が圧倒的に軽量なので,発売が待ち遠しいです.
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自転車につけるサイクルコンピュータは今やスピードだけではなく,
ケイデンス(ペダル回転数),心拍数,走行ルートなどなど
様々な情報を見ることができる多機能なものも増えてきました.
なかでも今もっともアツいのは,「動力の計測」つまり自転車を漕いでいる人が,
いったい何ワット出力しているかをはかる!というものです.
人力飛行機というものはとても緻密に設計・計算されるものであり,
パイロットには「定常飛行するために~~ワットの出力を出し続けろ」
という感じに設計者から要求されます.
設計コンセプトにもよりますが,低速機(ディスタンス部門)では200~260W,
高速機(タイムトライアル部門)では270~330Wくらいが大体の目安だと思います.
市販の動力計はとても高価であり,趣味でサイクリングをする多くの人にとっては
動力計なんておおげさに聞こえますが,以上の理由から
多くの鳥人間パイロットはパワーメータに興味をもっていたりします.私もそのひとり.
ということで,市販のパワーメータにはどんなものがあるのかまとめてみました.
1:ペダル内蔵型
1-a:MetriGear
多機能コンピュータで有名なGarminの強力バックアップがついた最注目.
キャリブレーションも不要(というか出来ない?)というひと品です.
ペダル軸のひずみからパワーを計算するそうで,ケイデンスもはかれるようです.
さらにペダリングの癖や左右のムラなんかもバレてしまう鬼コーチ.
ただし,Speedplayというメーカのペダルでなければなりません.
ANT+sportという通信規格を採用しているので,同じ規格のコンピュータならGarminでなくても表示ができます.
発売延期が続いてますが,とても待ち遠しいです.
(キャリブレーション:「部材がこれだけひずんだら,~~Nの荷重に相当する」
という換算係数を求める,ひずみ計測実験には大抵必要な作業.)
1-b:Look Polar Keo Power
MetriGearがもたつく間に,つい最近発表されたパワーメータ.
ペダル会社とサイクルコンピュータ会社がタッグを組んだようです.
原理はMetriGearとほとんど一緒.
ただ,こちらはANT+sportを採用していないため融通が聞きづらいという懸念があります.
2:クランク内蔵型
2-a:SRM
パワーメータの第一人者で,プロロード選手の多くがコレを使っています.
チェーンの消耗や交換の影響を受けるため,セルフキャリブレートができるそうです.
こちらはANT+だし信頼性バツグンですが・・・高い・・・
2-b:Quarq
SRMの特許期限切れにより作られたものらしく,特徴もほとんどSRMと一緒.ANT+採用.
このメーカの注目すべきはむしろコンピュータの方(右画像)で,
GPS内蔵,OSがLinuxという胸熱コンピュータらしいです.当然ですが高価ですorz
てことはつまり,このコンピュータを人力機の表示器仕様にプログラミングし,
MetriGearのパワーメータを搭載すると・・・という妄想が広がる逸品.
どこかのチームやってくれないかなー(チラッ
3:BB内蔵型
3-a:ergomo
3-b:CATEYE PW-TR100(生産終了)
どちらも詳細がつかめなかったのですが,BB(ボトムブラケット:クランクの中心)
のひずみを計測するもののようです.どちらも有線式で,専用のコンピュータとセットになります.
最近の上位コンポーネントでは「クランク-BB一体型」が多くこの機種は使えないため,
「そんな高価なパワーメータ買うくらいなら上位コンポ買えよ」ってなりそうです.
ergomoのコンピュータのデザインなんかは好きなんですがね...
4:後輪ハブ
4-a:CycleOps PowerTap
使用できるクランクに縛りがある他者に比べ,スポークの手組みさえできれば機材を自由に選べる.
比較的安価なためアマチュアライダーに大人気.キャリブレーションも不要.ANT+採用.
ただし重量が結構あるため,レースでは結局つけない,という人もちらほらいるようです.
5:チェーンステイ
5-a:Polar Power Kit
チェーンステイに取り付けたセンサーからチェーンの動きを観測しパワーを求める異端児.
ギアチェンジしたらどうなるの?とか,チェーンの消耗による伸びとかどうするの?
などという個人的な疑問は多いです.
そんな理由からか,取り付け位置やキャリブレーションがとってもシビアだという噂をよく聞きます.
ANT+を意地でも採用しないのはPolarさんにはよくあること.
6:???
6-a:iBike
コンピュータ自体に計測部が搭載されている不思議なパワーメータ.
当然,使用機材の縛りは皆無.
コンピュータに当たる風と,スピード,ケイデンスなどを参照してパワーを出すそうです.
コンディションにもよるとは思いますが意外にも精度はそこまで悪くないそうで,
手軽であることやANT+対応とあってそこそこ人気らしいです.
昔のWASAのパイロットさんがつけていたような?
人力機への搭載はさすがに無理でしょう...
・・・と,代表的なものを上げてみました.
ほかにもコンピュータに限って言えば,iPhoneにANT+レシーバを取り付けて使うアプリ
(Digifit Connect,wahooなど)なんかもあるようですね.
人力機への搭載に向いているのはペダル内蔵型とクランク内蔵型(シャフト駆動の機体は不可)でしょうか.
特に重量面で見ると前者が圧倒的に軽量なので,発売が待ち遠しいです.