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 今年度の設計コンセプトを一言でいうと、

「勝つための車の製作」


 この一言に尽きます。1997年度製作したLeidenshaftが目覚しい結果を残して以来、MSPはその「勝利」という言葉から遠ざかってしまっています。昨年度製作したSilverFlukeもクラス8位/18台とそれまでと比べたら比較的良い結果ではありましたが、勝利と呼ぶに至る結果ではありません。現状としてお金のあるチームが新しいパネルを使って勝負してくるため、予算の少ない我々が上位に食い込むのは不可能といっても過言ではありませんでした。(事実、この事がソーラーカーレースからの人離れの要因の一つです。)その一方で、人力飛行機部門は鳥人間コンテスト2連覇と確実な進歩と結果、そして勝利を手にしています。そこで今年度の車はソーラーカーから低予算でも勝負するのに十分な車体を開発可能であり、尚且つホンダエンジニアリング等の強豪チームがひしめくエコノムーaブに舞台を移し、「勝つための車」の設計製作を行っています。

 さて、昨年度まで我々Meisterはソーラーカーの開発に尽力を注いできたわけですが、今年からエコノムーブに転向することにより、設計概要は大きく変化しました。当然ソーラーパネルを張る必要がなくなったため、より空力を意識した形状の車体を設計することが可能となりました。電池が支給されるエコノムーブではより一層の消費エネルギーの軽減とパフォーマンスの向上が必要です。これを実現するために空気抵抗、転がり抵抗といったあらゆる抵抗の軽減、また車体自身の大幅な軽量化が必要なのです。これらの要素は全チーム電池が同じであるというレース条件のもとにおいて、勝負を決する重要な要素になります。

 これらを考慮した結果、車体のシャシの構造を昨年度に引き続き炭素繊維強化プラスティック(CFRP)を使用したモノコック構造としました。これにより軽量かつ高剛性のシャシを製作することができます。これらは昨年のノウハウを活かすことができるので、効率的に開発を進めることが可能だと考えられます。また、アブソーバーにおけるエネルギーロス、軽量化等を考慮し、サスペンションは一切取り付けないことにしました。 車体形状は前述通り、かなり自由度の高い形状にすることが可能になりました。そこで今年の車のカウルはタイヤを車内に隠しこむフルカウル構造を採用しました。これによりタイヤの回転が生み出す乱流による空力低下を回避することが可能になりました。またその形状は、タイヤやドライバーの位置を考慮したうえで、コンピューターにおいて翼型解析を行い、Eppler338、NASA rc(4)-10 を採用しました。目標として、前面投影面積を0.3、空気抵抗係数Cdが0.016を目指した設計を行っています。これらを考慮すると、車内スペースはかなり狭くなります。そのため、今年は班を立ち上げディスクホイールを自作することにしました。

 また、今年はDCブラシレスモーターをチェーンを介さず、ギア直結の1段減速させることに挑戦することにしました。上手くいけば100%近い効率を生み出せることが期待できます。しかしこれにより後輪側は格段に高い精度が要求されることは言うまでもありません。しかし、チェーン駆動では他チームには到底太刀打ちできません。ここの製作が勝負の鍵と思われます。

図面
スレイプニル
カウル
アッパーカウル