25代コンセプト(フェアリング班)
2025-03-1425代フェアリング設計より
25代のフェアリングのコンセプトは「低抗力化」です。当たり前すぎる目標ですが、強豪チームのフェアリングを見てMeisterのフェアリングもまだ改良の余地があると考えたため、このコンセプトを設定しました。
前面投影面積の最小化
今年はフレーム設計において代の目標を達成するための総合的な判断で、パイロットが漕ぎやすい姿勢を最優先し、座面を例年よりも高くしました。その結果、パイロットの前面投影面積が大きくなりました。もちろん、抗力はその物体の前面投影面積に比例しますので、これはフェアリング設計にとって大きな制約となります。そのため、例年よりさらに無駄のない設計が求められました。後述しますが、翼型を自作したり、側面のインテークを廃止したりすることで限界まで前面投影面積を絞った設計にしました。結果的に昨年比で10%以上前面投影面積を削減でき、これにより必要動力は5~6Wほど減少すると考えています。


断面翼型の自作
今年はフェアリング設計に二次元・三次元解析を復活させました。断面翼型は既存の翼型を使うと、パイロットの肩に干渉しないようにするために前面投影面積が大きくなりがちです。これは今年のコンセプトにそぐわないため、xflr5で二次元解析を行いながらフェアリングに適した翼型を一から自作しました。最大翼厚位置が50%とかなり後ろにありながらCd値が小さく、製作精度への依存性も低い翼型を作ることができました。三次元解析はAutodesk CFDを用いて行いました。インテーク形状の検討など、部分的な設計に活かすことができそうです。これからはTFでのフライトログと比較しながら、解析の信頼性を確認していければいいなと思っています。


換気システムの改良
近年のフェアリング設計のトレンドは「いかにパイロットを冷却するか」でした。その結果、フェアリング本来の目的である「低抗力化」は後回しにされることがありました。しかし今年は、低抗力を維持しつつも猛暑や長時間の飛行に耐えられる環境を実現するため、側面のインテークを廃止し、断面翼型のよどみ点にあたる部分にメインインテークを設けます。ヘッドインテークが毎年パイロットに好評であることが一番の理由です。またこれによって、パイロット両脇のダクトが占めていたスペースを削ることができ、前面投影面積の削減にもつながりました。画像はまだ設計案の状態で、これから大きさや形状などの詳細設計を行う予定です。
最後に25代のTF用フェアリングの全体像をお見せして終わりたいと思います。パイロットからのフィードバックや製作過程での反省を活かして、鳥コン用は大きく改善を行う予定です。ぜひ琵琶湖で飛ぶフェアリングにもご期待ください!