2008年02月の記事です。
書いた人: セキグチ(2008/02/18 00:14:56)
書いた人: セキグチ(2008/02/17 02:32:44)
ようやくテスト期間が終わってほっとしました。単位来るかなー。
エコノ製作は、第一回大積層が終わって、第2回大積層が終わって、マイスター初の第3回大積層が始まろうとしているところです。
操舵駆動については後輪の設計がほどほどに終わりましたので、次は前輪の設計です。
前輪設計の見どころは、パラメーターの設定と操縦インターフェイスの設計と干渉とのチェックです。
パラメーターの設定は、タイヤの角度をうまくコントロールして、安定して効率のよい運転ができる車体を作るのに欠かせません。
代表的なものとしては
ハンドルを最大限に切ったときのタイヤの角度の変化を表す 切れ角
正面から見て、ハンドルを切っていないときのタイヤの傾き(八の字加減)を表す キャンパー角
上面から見て、ハンドルを切っていないときのタイヤの傾き(八の字加減)を表す トー(角)
正面から見て、タイヤの切れ軸の傾き(八の字加減)を表す キングピン角
上面から見て、タイヤの切れ軸の傾き(八の字加減)を表す キャスター角
ハンドルを切ったときに内側と外側のタイヤの切れ角の差を表す アッカーマン
が上げられます。各パラメーターの効果と短所は自分で調べてみてね。
操縦インターフェイスは、ドライバーがうまく操縦するために欠かせないものです。とくに運転のしやすさはレース中のきつい環境の中、ドライバーの負担を軽くするのに効果的です。
マイスターでは毎年車体が製作されていますが、操縦インターフェイスは毎年変わっております。
2005年製作のライトビルトは、車のハンドルのような感じです。
2006年製作のトリロビートは、左右2本のアームを動かして操縦します。
2007年製作のトランスパンダは、自転車のハンドルのような感じです。
今年は、どの操縦体系にしようかな。ドライバーに聞いてみると・・・。
「ライトビルトでの運転が1番慣れている」
ということで、ライトビルト式になりそうです。が、個人的にはトリロビート式が好きです。悩むなぁ〜。
干渉のチェックは、その名のとおり、タイヤがボディに当たらないような設計にすることです。これを怠ると、レース場で車体を削るはめになります。そうならないためにも、しっかりと設計する必要があります。
設計の仕方が後輪とぜんぜん違うことは間違いありません。 がんばるぞー!
つづく
書いた人: セキグチ(2008/02/02 12:51:29)
お久しぶりです。一ヶ月以上も放置してしまいました。楽しみにしていた人、すみません。
記事を書いて公開する行為はどうしても億劫になるものです。
記事を書いていない間に、モノコックは雄型が完成し、雌型の製作に入り、私は前後輪周りの設計がかなり進みました。型の製作についての日記はモノコック担当に任せるとして、操舵駆動系製作日記を続けます。
---あらすじ---
11月から後輪設計を始めたが、入らないはずのモーターを入れろという難題に差し掛かってしまった。どうする、俺!
本当に入るのか、モノコックの断面図面とモーターをうまく組み合わせたら奇跡的に入りました。だが、取り付け方法が去年と比べて大幅に変わりそうです。具体的には、モーターが本体パネル側にくっつかずに車軸側にくっつくことになったりと、車軸にいろいろなものがくっついてしまう構造になるようです。そのため、タイヤ交換のときはいったんモーターの配線をはずさなければいけないことになりました。エレキ班の仕事がまたひとつ増えました。よろしくお願いします。
とりあえずモーターは収まったので安心しました。というわけでいよいよ設計に取り掛かります。設計の方法はいろいろ考えられます。で、候補は以下の三つに絞られました。
1 手書きで図面を書く
2 フリーの2次元CADを使う
3 市販の3DCADを使う
1 については簡単に設計できますが、突然の仕様変更があると全部書き直しになる危険性が高いのと、前輪周りの角度の調整と、モノコックとの干渉チェックができないという問題があります。
2 については手軽でコストパフォーマンスは最高なのですが、いざ使ってみたところ、UIに癖があり、思うように作れません。部品の代わりにストレスができそうです。ただ、去年の操舵駆動系の設計はこれで行ったので、ソフトとの相性の問題かと思います。
3 についてはその中でいろいろなソフトがありますが、授業で使ったソフトを使う事にしました。学校の学習室で自由に使えるので、ためしに使ってみました。なんと、部品の製作だけでなく、部品の組み立てや干渉チェックができるのです。しかも、私の要望に答えてくれるかのようにちょうどいい機能がそろっているのです。最高です。お気に入りのソフトベスト10に入る勢いです。これで設計することに決定しました。
このソフトは自分のパソコンにもインストールしたいと思いました。インターネットでそのソフトの値段を調べてみると・・・
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ひゃ、ひゃく万円!! 買えないよー
実際、一般的に業務用のソフトはこのくらいの値段がするのです。他のCADもそんなものだそうです。
でもそれは、買う人が機械設計をする人に限られているのに対して高度なソフト制作が要求されるからです。とくにきちんとしたUIを作るとなると半端無い労力が必要です。プログラミングでソフトを作った人ならツール製作の大変さが分かるかと思います。
結局、家で設計ができないので、学習室でCADをいじる日々がとうぶん続きそうです。 つづく
前回の日記で「前輪"駆動"設計」と書いてしまいました。
純粋な間違いです。驚かせてごめんなさい。
モノコックについての更新が無いので、モノコックについての記事も書きます。
モノコック製作は去年と大幅に変わりました。ダイジェストもかねて年表形式にしました。
去年
2006年11月上旬 モノコック製作開始アッパー(上部)の雄型から製作開始
2006年11月中旬 ウレタンを積んで雄型の芯を作る
2006年11月下旬 その上からパテ(LUC)を盛ってやすって整形
2006年12月上旬 とにかくパテ(MGファイン)を盛ってやする
2006年12月中旬 とにかくひたすらサーフェイサーを吹いてやする
2006年12月下旬 アッパー大積層(カーボンで雄型を積層して雌型を作る)
2007年1月上旬 アッパーセクション(雌型を保持、安定化するための木製の枠)を完成
2007年1月中旬 アンダー製作開始(一般的にはロアーというらしいが、マイスターではこう呼ぶ)。アッパーと同様にウレタンを積む
2007年1月下旬 パテ(LUC)を盛ってやする
2007年2月上旬 とにかくパテ(MGファイン)を盛ってやする
2007年2月中旬 とにかくひたすらサーフェイサーを盛ってやする
2007年2月下旬 アンダー大積層
2007年3月上旬 型を脱型して焼き上げ
2007年3月中旬 タイ大会、残された人はパネルを製作
2007年3月下旬 タイ大会から帰国、残された人はパネル製作を終わらせる。
2007年4月上旬 雌型にプリプレグ(カーボン繊維に樹脂を染み込ませた素材)を張り込んで焼き上げ、モノコックの完成
今年
2007年11月上旬
アンダー(下部)の雄型から製作開始。雄型の芯は、型紙にあわせてスタイロを切って積み上げることによって製作。
その上からガラスクロスを積層、有機溶剤によるスタイロフォームの溶出を防ぐ
2007年11月中旬パテ盛り開始。手法変更が功を奏し、数日の作業で済んだ。
2007年11月下旬
パテ盛りを最小限に抑え、サーフェイサーによる仕上げ加工を開始。
すると、平面部にふじつぼのようなものができた。やすってごまかすも、完全に埋めきることができなかった。
けど、去年よりも大幅に早くアンダー雄型を完成。
大積層はせず、アッパー雄型を製作開始。今年はアッパーとアンダーの雄型を一体にして製作することで、型の不一致を防ごうと試みた。
アッパーのスタイロをレーザー加工で切断する予定だったが、スタイロが思ったよりも溶け、製作を断念。アンダーと同じ製法で行くことにした。わざわざものつくりセンターの講習を受けたが、必要なくなってしまった。 このころから後輪駆動系設計を開始。
2007年12月上旬
アッパーの型紙を徹夜で製作。翌日は他チーム訪問と祝賀会があったが何とか乗り切れた。
スタイロの塊を車班自作の電熱器でスライスするも、精度が出なかった。もったいないのでこれを使う。
型紙にあわせてスライスしたスタイロを切る。
2007年12月中旬
切断したスタイロを張り合わせてみる。大幅にずれていることが判明。元に戻せないので微調整をした後、ガラスクロスを積層。
やっぱりずれているので、パテでごまかしながら整形、余計にパテを1缶買う羽目になった。
2007年12月下旬
サーフェイサーによる仕上げ。外部の人によるアドバイスにより、ふじつぼの発生は抑えられた。
作業最終日までにアッパーアンダー一体型の雄型を完成することができた。同時に後輪駆動設計も完成させた。
2008年1月上旬
業者の好意により、型を分割するための線を引くための装置が使えることになった。
2008年1月中旬
ここから腸炎でダウンする人が続出。作業は滞った。
無事だった人がうまく連携して、ふじつぼの除去に成功した。
2008年1月下旬
型を分割するための線を引くことができた。今年の車体はモノコックの分割法を大幅に変えたため、今年の型は4分割する方法をとった。これはマイスター初の分割法である。前輪操舵設計を進める。
アンダー前部大積層を開始。
塩ビ版で分割面のフランジを作り、その上に離型剤(去年はPVAのり)を塗り、積層をする。
今年の大積層は、終電までに切り上げる方針のため、途中で中断した。
2008年2月上旬
アンダー前部大積層の続きを開始。無事に終了した。
セクションを作り、型をひっくり返した。
2008年2月中旬
アッパー前部大積層を開始。終電に間に合わなかったので途中で切り上げた。その次の日に残り部分の積層を開始。だが、カーボン積層後に切り上げたため、カーボンの端部の脱泡ができず、大苦戦。最初の1プライを進めるのに3時間かかってしまった。
アッパー後部大積層を開始。面積が小さいため、朝7時に開始して夜の7時台に完成することができた。おそらく、マイスター初の"日帰り大積層"である。
その後アッパー前後部のセクションをまとめて製作、こちらは終電に間に合わなかった。
ここから先は予定される製作を書いています。理想論で計画を立てるなどの性急な製作をせず、正確な製作計画を心がけてるつもりです。が、変更の可能性は大いにあります。
2008年2月下旬 アンダー後部大積層、パネル製作、操舵駆動系の製作開始、雌型の脱型と焼き上げ
2008年3月上旬 各種部品の製作、雌型の仕上げをした後、張り込みをして焼き上げ
2008年3月中旬 タイ大会
2008年3月下旬 タイ大会から帰国、モノコック完成。パネル、各種部品を取り付け
2008年4月上旬 車体完成、テストラン。秋田大会へ向けて最終調整
・・・書いたらかなりの分量になってしまった。つかれた。
(操舵駆動系のことはまったく述べていなかったが) つづく