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2012年12月
2012年12月の記事です。
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俺とお前は闘うことでしか分かり合えない
書いた人: watanabe
|
12/12/06 17:25
お久しぶりです。
長らく更新できませんでしたが、せっかくなので
桁破壊試験
について記事を書こうと思います。
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鳥コンが終わり、テストから解放された僕達は、8月から9月にかけて僕達大学生にはつかの間の夏休みが与えられた。
しかし、Meister部員に休みなどなかった。日々が闘いなのだ。
夏休み中、僕達は破壊試験用の桁を製作し、破壊していった。
産み出しては壊す。
言葉だけ見ると虚しくなってくるようなことだけど、これは次につなげるための破壊、希望のための破壊・・・。
周りの人から見れば馬鹿みたいに見えるかもしれない。
それでも僕達にはやらなければならないことがある。
たとえ破壊のあとに残ったものが残骸だけだったとしても、その過程が僕らに何かを与えてくれる。
そう信じて僕達はあの夏休みに、ひたすら創造と破壊を続けたんだ・・・。
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前フリはここまでにして、今年の桁破壊試験の主な目的は以下のとおりです。
1.破断応力を調べ、今年の許容応力を決定すること
2.ピールクロスを用いた桁の実用性を調べる
Meisterでは桁の設計は経験的な値を用いて設計しています。
破壊試験を行い、その結果を使用してCFRPパイプの設計が行われているわけです。
そう、
私達と桁は破壊することでしか分かり合えない
んですね。
人間関係もそうですね。時には拳を交わしあわなければ伝わらないこともあります。
つまり、そういうことです。
僕達は桁と分かり合うために、夏休みは桁と格闘していたわけです。
桁との格闘は以下の写真のように行いました。
・・・これだと、ただ一方的に桁を痛めつけているだけですね。
みんなが見ている中、ただ壊されるのを待つ桁はまるで巨悪の敵に囚われた姫のようですね。
物語の世界ではピンチの時にヒーローが助けてくれるものですが、現実ではそうはいきません。
無残にも桁はこのあと破壊されてしまいました。現実は残酷ですね。
また、主翼桁級の試験桁の他に、コクピットフレーム用CFRPパイプ級の細い試験桁も製作して破壊しました。
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まずは、
主翼桁級の試験桁
について。
1の内容はあんまり言うことがないですが、2の内容について簡単に報告します。
結果は「
ピールクロスはアカン
」の一言に尽きます。
ピールクロスを巻いた桁は総じて早い段階で破壊されました。
破断面が以下の写真です。
なんかやばげに見えますね。
すでに製品となってるもののエポキシを勝手に吸うのはやっぱりよろしくないのでしょうか。
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次に、コクピットフレーム用CFRPパイプ級の試験桁です。
こちらはピールクロスは使用していません。
これは2本試験しました。
結果は、2本とも手持ちのおもりを全部吊るしても折れませんでした。
「お前はいったい何を言っているんだ」と思われるかもしれませんが、残念ながら(?)これが現実です。
最後までおもりを吊るしたときの写真が以下のとおりです。
一般的にCFRPパイプは1[GPa]程度で破壊されると言われています。
また、僕達の間では桁破壊試験をするとおおよそ800~900[MPa]で破断するのが普通でした。
ところが、この桁に関しては理論値で中央部に2.0[GPa]、歪みゲージ貼り付け部(中央から200[mm]の位置)には1.4[GPa]の応力がはたらいていました。
応力の実測値としても、歪みゲージ貼り付け部では平均で1.47[GPa]ほどの応力がはたらいていたようです。
これには僕達も驚きですね。この写真の彼のように、もはや笑うしかありませんでした。
ちなみに、これを行ったのは鳥人間交流会の前日で、北海道大学 Northern Wingsの方々が見学にいらっしゃっていましたが、その方もひどく驚かれていました。
試験終了後、桁をやすってもらって中にクラックが入っていたりしてないか調べてもらったところ、まったくそのような形跡は見当たりませんでした。
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そんなこんなで、僕達の長い夏休みは終わりを告げました。
現在は設計も大方終わり、製品の製作が始まっています。
僕達の闘いはまだ始まったばかりだ!
というわけですね。
長々と失礼いたしました。
またお会いしましょう。
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