ご無沙汰しております、パイロットの清田です。
代表の記事にもあったように、今年度はフライトを断念しました。
大学に入ってからというもの、飛行機を飛ばすことだけをめがけていろいろやってきました。
ですからチームとしてはもちろんですが、個人的にも非常に残念です。
ただ同時に、この決定に踏み切れたことをうれしくも思っています。
乗り物を作るときに最も優先すべきは安全性です。
危険な機体はパイロットだけでなくフライトを支えるクルーにまで被害を及ぼしかねません。
この点に関して慎重になりすぎるということはありません。
そして、Meisterというサークルは非常に長い歴史を持っています。
時代は変わり、技術も知識も環境も変わっていくなか、体制の見直しはどこかで必ず必要になるでしょう。
チームの未来のために今すべきことは何か、これをしっかりと見極めることも重要です。
慎重自ら持し、敢為事に当る。
僕自身の座右の銘でもあるのですが、こうあってくれるチームのことを誇りに思います。
僕自身、もともとパイロットになりたくてこのチームに入ったわけではありませんでした。
細部まで練られた、極めて精巧で、どこから見ても美しい飛行機をみんなで作って飛ばす。
これが僕の動機であり、目標でした。
そのためにできることは何でもする、何かするならそのためのことでなければならない。
美しい飛行機ならおのずと優れた結果がついてきますからね。
僕はそれを用意してくれるチームに応えるためにトレーニングしていたわけで。
ものつくりは妥協の塊ではあれど、安易にそれを許すのは間違っています。
そんなタチなので、ただ飛ばすためだけに急ごしらえするのは僕にとっても性に合いません。
後輩たちにはこの悔しい気持ちを晴らしてくれるような素晴らしい機体を見せてくれることを期待し、微力でしょうが精一杯支援していきたいと思います。
素敵な後輩たちに囲まれました、彼らならすごい世界を見せてくれるでしょう。
これまで応援ありがとうございました。
そして、新生Meisterにこれまで以上のご支援をお願いいたします。
この曲を添えて、僕この曲めっちゃ好きなんです。流行らせて。
結月ゆかり(バッチオ) - ホシゾラの線とデイドリーマー
TF用プロペラが完成しました! pic.twitter.com/ZT07Mlb5jd
-- Meisterプロペラ班 (@Meister_pro) 2017年3月12日
前年度、天候不良によりTF回数が稼げず、結果、記録飛行が中止になってしまったことは1年間機体を作ってきた側として非常に残念でしたが、パイロットの安全を第一に考えて中止の判断ができるチームなので、安心して機体に乗り込むことができそうです。
記録飛行をする予定だった霞ヶ浦
さて、今年のパイロットですが、前年度のパイロットとはうって変わって正反対の体格の人間が人力飛行機に乗ります。去年より大きな機体を作らなくてはならず、全体設計をはじめチームのみんなが試行錯誤してよい機体を作ろうとしているのをみると、より一層トレーニングに力が入ります。
デカくて重い、人力飛行機には不利な体型であるのは事実ですが、それを上回るパワーと持久力で、4年ぶりに王者に返り咲きたいと思っています。
話は変わりますが、今週末、学内駅伝があります。今年も足が速い人が集まり、作業の合間をぬって日々トレーニングしています。目標は、昨年よりパワーアップして、一般の部で連覇することです。自分も第2走者をつとめます。
いい結果が報告できるように頑張ってきます。
もうそろそろ放映のお時間です。
その前に少し報告をさせていただきます。
今年はアクシデントがあり7月13日より急遽パイロットを務めさしてもらいました。
パイロットになったときのスペックは体重64.5kg、設計出力持続時間10分とパイロットとしては最悪の状態でした。一年なにもせずに過ごしてしまった末路です。
この状態から達成しなければならないことは2つあります。まず1つ体力及び心肺能力の向上です。もうひとつは体重を落とすことです。
この2つを高いバランスで両立しなければなりませんでした。ただ単に減量するだけならば、身体を省みず危険な方法で体重を落とせばいいだけです。
そのためかなり無理をしたトレーニングをしました。それができたのも指導教官の理解と影ながら支えてくれる仲間たちのおかげでした。この場を借りてお礼申し上げます。
結果としては出力持続時間も30分、体重61.5kg、心肺能力も最低心拍数が42までさがり、それなりに戻りました。2週間できることはやれたと思います。
本番は2回目なのでかなりリラックスした状態ですごせ、プラットホーム上ですこし待ちましたが、万全の状態でフライトができたと思います。
やっぱり飛ぶのは最高です!
飛び終わったとき仲間が笑顔で迎えてくれたので、凛の役目を果たせたと思います。
長々とした文章で申し訳ありませんでした。
これからも東京工業大学Meisterをよろしくお願いします。
これまでもお知らせしてましたように,MeisterはTF期間に入っております.
機体ロールアウト後,期間にして約1ヶ月(笑),回数にして5回(笑)ほど,大学グラウンドで機体を組み立てる振りをして多くのOBを釣り上げることに成功しました.部員たちには,ありえない強風の中でも最小限の被害に抑えつつ組立・解体ができるという,役に立つのか立たないのかよくわからないスキルが身についたようです.
さて現在は場所を桶川に移し,既に3回ほど試験飛行っぽいことをしています.3回のTFでジャンプ飛行を数本と聞けばナカナカ順調ではありますが,ここでまさかの梅雨入りだそうです.去年よりなんと17日も早いとか.
つくづく素晴らしい天気運ですね^^
今回は,1回目と2回目のTFについて,パイロット視点で振り返ってみます.
1回目のTFの様子がコチラ
地味ですね.
主な目的はグラウンドクルー(伴走者)の動き方の確認,そして車輪がまっすぐ取り付けてあるかの確認です.ここで中の人がペダルを90rpmで回そうものなら推力過多となり,保持の人はむしろ後ろに引かないと加速してしまうので加減が必要です.
私はスタート直後は60~70rpm,スピードがついた後は20~40rpm程としました.歩くようなスピードなのでまったく漕がなくてもいい気さえしますが,回してるほうがプロペラ回転半径(超危険ゾーン)のイメージ作りになると思います.あと回してるほうが楽しいです.私が.
2回目
パイロットの声が気持ち悪いとか言われても悲しい目をすることしかできないのでご容赦ください.
フェーズとしては滑走試験の段階ですが,この日のラストで一瞬ですが浮きました.主翼の迎え角は浅めでしたが,向かい風にぶつかったため,空気の力のみで約100kgの機体が持ち上がってしまいました.
車輪の音がフッと消える瞬間は爽快です.
ここでの目的はグラウンドクルーの段階的なレベルアップと,上反角(翼の反り具合)の左右バランスの確認です.車輪が地面についているためラダー(垂直尾翼)による操舵はしませんが,万が一に備えエレベータ(水平尾翼)はいつでも動かせるように準備をしておきます.
Q.万が一ってどんなとき?
A.良い質問ですねぇ.
機体のスピードが上がり主翼が揚力を生み出すと,その分だけ車輪が地面から受ける垂直抗力は減少します.垂直抗力が減少すると,それに比例して摩擦抵抗も減少します.そんなときに横風を受けてしまうと,車輪が横方向に滑る,いわゆる「ドリフト」をしはじめてしまい,長時間そのような状態が続くと破損に至る可能性が出てしまいます.お尻にガシガシと伝わってくるドリフトの感触はそりゃもうヒヤヒヤです.いつか車輪が折れるんじゃないかと,カナリの恐怖です.
そんなとき,パイロットは推力を上げ,エレベータを動かすことで一度浮かせます.その後,ラダーで機首を(できるだけ)風上に向けた後,速やかに着陸させることで最悪の事態を回避することができます.
ま,ここまで言っといてですが,上の動画はそれを意図して浮いたわけではないんですけどね.
<参考:偏流飛行から着陸までの流れはさすがの一言です>
3回目のTFについては,経験者とは思えない恥ずかしい反省点が山のようにあるのでまた改めて懺悔したいと思います.助走区間を短くできないヘタレパイロットですいません.
]]>
①学部を卒業しました.
震災により学部卒業式も大学院入学式もなかったためあまり実感がありませんが,いろいろと面倒な手続きを済ませ,学籍番号も新しくなりました.
本拠地がすずかけ台というのは学部4年次の時から変わらず,Meisterの活動について言えば相変わらず厄介な感じですが,講義の始まった現在もナントカカントカやっています.
②鳥コンDST部門出場が決まりました.
代表日記にもある通り,今年は「彦根」から,「高さ10mのプラットホーム」から,飛び立つことができそうです.
天気のことは今考えてもしょうがない
「野洲」から,「高さ0mのベニヤ板」から飛んだ経験をどう活かせるか,今後の試験飛行でドンドン磨いていくつもりです.
フライト順はまだわかりませんがおそらく最後でしょう.私たちの前に立ちはだかるライバルチームの記録には,最大の敬意を払いつつも全力で一つずつ飛び越えてみせるつもりです.震災の影響で作業が進まないチームも多くあると思いますが,互いにベストを尽くしていきましょう.
③テーピングセミナーに参加しました.
日頃から協力をいただいている3M社様から,スポーツテーピングに関するセミナー開催の知らせをいただき,興味本位で参加させていただきました.受講者はみな整復師,鍼灸師やそれを志している方ばかりで素人同然の私にはかなりレベルの高い内容ではありましたが,大変興味深く聞かせていただきました.今回得たテーピングとその関連の知識の中には,今後役に立ちそうなものも数多くあったため,私なりにいろいろと試行錯誤してみようかと思います.
3M社様のご協力に感謝いたします.今後ともよろしくお願いいたします.
]]>中止の告知を受けて書いた二年前の私の記事を鳥コンスレに貼った人は正直に名乗り出なさい.
前回の記事ではなにやら難しい言葉をたくさん使って,人間の運動(=ATPの分解)についてごにょごにょしてみました.
簡単におさらいするとこういうことです.
γ⌒) ))
/ ⊃__
〃/ / ⌒ ⌒\
γ⌒)( ⌒) (⌒) \ ∩⌒) 弱い運動を行うときはゆっくり・効率よくATPを作る.
/ _ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ 空気から吸い込んだ酸素によって糖質,脂質,タンパク質,
( <| | |r┬( / / )) そして乳酸も燃料として使え,運動は長く維持できるが
( \ ヽ \ _`ー‐' /( ⌒) あくまで弱い強度.(有酸素運動)
/ /
γ⌒))⌒) ))
ヾ __(((⌒ヽ / ⊃__ ゞ 強い運動を行うときは採算度外視
/⌒ ⌒⊂_ ヽ彡 / / ⌒ ⌒\ 急ピッチでATPを作る.酸素を
(⌒ミ(⌒ヽ∩/( ⌒) (⌒) |(⌒γ⌒)( ⌒) (⌒) \ ∩⌒)彡⌒) 反応系に組み込む余裕がなく,
ヽ ノ| :::⌒(__人__)⌒ ::| 彡_ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ そのせいで体には乳酸がたまるため
\ \ )┬-| / ミ ミ |r┬( / / )) 長時間動けない.(無酸素運動)
(((⌒ (((⌒ )、 ヽ_ `ー‐' ,/ / ≡ 彡 _`ー‐' /( ⌒)ミ⌒)
\ \ /
持久系競技では「できるだけ強い強度を,できるだけ長く維持」出来る人ほど優秀とされます.
人力飛行機で要求されるパワーも,ある範囲内に収まるとはいえ「ずっと飛び続けられる」ほど甘いものでもありません.
(工大祭では人力飛行機を飛ばすのに必要な負荷(約230W)をエアロバイクでこいでもらう企画をしていますが,体験された方は皆ペダルの重さに驚きます.そのくらい重いです.私も初めてこいだときは1分と持ちませんでしたorz)
今回はそういった「中~高強度・長時間」を目指す持久系トレーニングについて,前回を踏まえたおはなしをします.
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
突然ですが,LTという言葉はご存知でしょうか.
これは乳酸性作業閾値(にゅうさんせいさぎょういきち:Lactate Threshold)と言います.運動強度を徐々に上げていくと,血液中の乳酸濃度は強度に比例して上がっていくのですが,ある強度を境にその傾きが変化します.
その境界より激しい運動をすると,体内に生じた乳酸の処理が追いつかなくなっていくことを意味しています.LTはいわば「有酸素運動と無酸素運動の境界線」とみなせる指標です.
もちろん「LTが高い」=「有酸素運動の範囲が大きい」=「高い出力をより長く維持できる」ということなのですが,これはあくまで目安であるということも頭に留めておくべきでしょう.
同様の指標としてHRT(HeartRate Threshold: 心拍性作業閾値),VT(Ventilation Threshold: 換気性作業閾値)があります.運動中の血中乳酸濃度を測定するのはかなり大規模な設備が必要なので,こちらを参照することも多いです.また,これらをまとめてAT(Anaerobics Threshold: 無酸素性作業閾値)と総称しています.
前回の記事に加えてココまで説明すれば,「持久系体力の向上」とは「乳酸の処理速度の向上」ということである,と言っても理解していただけると思います.
持久系トレーニングのメニューにはすでに様々なものが存在しますが,それぞれが何を目的としているのかというところを明確にしながら以下で説明していきます.
・LSD
Long Slow Distance の頭文字をとったもので,その名の通り弱い負荷の運動を長時間行うトレーニングです.このメニューは脂質・タンパク質をエネルギー源とする回路を活発にし,乳酸を作らない体にすることを狙ったものです.これによって筋肉中に酸素を送り込むための毛細血管が発達し,乳酸を作り出し始める運動強度が底上げされるようになります.しかし土台の底上げはできても天井を引き上げる効果は薄いため,ベースとしてこのトレーニングを行いながら後述のメニューを組み合わせなければ,ある段階で打ち止めになってしまうのではないかと思います.
・TEMPO
LSDよりも若干高強度短時間化したトレーニングです.AT出力付近で20~40分が目安といわれていますが,正直個人差も大きく文献によって見解が様々なところなので各自で模索するしかないと思います.これによってAT出力の向上が期待されるそうですが.運動しながら乳酸の生成,処理を行うことで体を順応させている,ということなのだと私は解釈しています.
・INTERVAL
無酸素運動⇔低強度での休息を比較的短い周期で何度も繰り返し行うトレーニングです.時間比率は1:1で,少なくとも10回以上繰り返せる程度の強度で行います.有名な練習法ですが,このメニューの肝はむしろ休息にある,というトコロがあまり認識されていません.言い換えればこのメニューは,乳酸を筋肉に溜める練習ではなく,筋肉中の乳酸を「運動しながら」処理する練習ということです.休息中に足をとめるのは効果ダウンです.LSDが「乳酸を作らない体にする」というのに対し,INTERVALは「乳酸を素早く追い出せる体にする」ということになるので,結果的にAT出力の向上が期待されるわけですね.トレーニング効果は高いですが体への負担も大きいため頻繁に行うと身も心も持たないと思います...
・REPETITION
全力運動⇔完全休息を何度も繰り返し行うトレーニングです.INTERVALよりも運動強度を強く,かつ休息の時間を長く取ります.INTERVALの一例とみなされることもあるようで,私自身この練習法についてはあまり自信がありません・・・筋肉に溜め込める乳酸の容量を上げる,といったところでしょうか.競争相手との駆け引きやゴール前に使うスプリントなんかで効果を発揮しそうですね.
具体的なメニューはあまり載せないようにしました.上記のものは間違った知識かもしれませんし,そもそも人によって適切な方法や練習に割ける時間などは違うわけで.
自分の体のことは自分で知り,自分で考えましょう,ということです.
前回・今回とも様々なサイトを参考にさせていただきました.興味が有る方はぜひggrks.
今回特にお世話になったサイトを挙げておきます.