徹底した軽量化が求められる人力飛行機において、その骨格として用いられているのはCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)です。 CFRPは、宇宙航空産業にも利用される軽さと強さを兼ね備えた先端材料で、一般に「カーボン」と呼ばれています。
Team FRPでは、その人力飛行機の骨格となるカーボンパイプ(桁という)や、他の部分のカーボンパーツの製作を行っています。 鳥人間コンテストで飛行中に翼が真二つに折れてしまい落下する機体は少なくありません。翼を支える桁には、飛行機全体の重さと、翼に発生する揚力が集中します。 桁の出来次第では、飛行機に致命的な欠陥が生じてしまうのです。そういった意味でTeam FRPの責務は重要です。
桁の製作は桁巻きと呼ばれる全体作業で、Team FRPが中心となって行います。 人力飛行機の中で最も力が集中する翼桁は、桁巻きの後さらに少し加工が施され、最終的に桁試験を実施して飛行時の荷重に耐えうることを確かめた後、完成となります。 そうして出来上がったFRPの「腕」は、やがて翼班の手によって「翼」へと姿を変えていきます。