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人力飛行機とは何か。そこのところから説明してみましょう。
空を翔ける
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人力飛行機、東工大Meister、2003年度の機体「Promontoire」(プロモントワール)です。
と、飛んだ…ジ〜〜〜ン(涙)
↑の写真は第27回鳥人間コンテストの写真で、Meisterは人力プロペラ機部門に出場し、32177.99mを飛び準優勝しました。
この物体、飛行するのにパイロット以外の一切の動力(電気モーターやガソリンエンジンなど)を用いてないんです。
ただ、純粋に人の力。それだけで、重力に逆らって空を翔け巡るのです。すごいと思いませんか?
人間のクセに空を飛ぶ。これは自然界の理、生命を生み出した神の、地球の意思に真っ向から逆らっての行為といえます。
それを可能にしたということは、人類の進化、発展の賜物でしょう!!
…とまあ、哲学的な話は置いといて、以下に機体各部の名称と役割を紹介していきます。
機体各部の名称・表面編

↑の写真は一番上の写真の拡大図です。
この写真から見てとれる機体表面の部分から説明をします。
※ここでは、物理学的に高度な内容は省略します。他の項ではもう少し詳しく述べることもありますが、本格的に知りたい人は、自分で勉強してください。
まず、「飛行している」状態であるには、
・前に進んでいること
・接地せずに空中に浮いていること
の2つを満たしていなければなりません。さらに、安定した飛行、乗り手の意思通りの飛行をするには
・上下左右にフラフラせず、地面に常に水平に飛行(これを「定常飛行」という)できること
・乗り手の意思によって自在に上昇、下降、旋回(右に左に曲がること)ができること
も満たさねばなりません。
主翼は、風を受けて上昇する力「揚力」を発し、機体を上昇させます。
また、プロペラは、乗り手「パイロット」が回転させることで、機体を前進させます。
そして、尾翼からも揚力を発し機体のバランスを保てるようにし、傾きを調節することで、上昇下降(水平尾翼を調節)、旋回(垂直尾翼を調節)します。
胴体は、パイロットを乗せる部分、フェアリングは胴体を包む風防です。
機体各部の名称・内部編

↑の写真は試験飛行「テストフライト」のときのもの。フェアリングがまだついていない状態で、胴体の様子がよくわかると思います。
胴体でも特にパイロットが乗る部分をコックピットと呼んでいます。
テストフライト(通称TF)は、機体が完成した春から、夏の大会までの間、実際に飛ばしてみて、機体の調整をするものです。
これを何度も繰り返して、先に述べた理想的な飛行ができる状態にする訳です。
さて、人力飛行機にはもう一つ重要な点があります。それは
・パイロットへの負担が小さく、長時間飛行できること
です。
大会が飛行距離を競うという性質上、このポイントが最終的な記録を決めるといえます。
パイロットへの負担を小さくするには、第一に機体の空気抵抗(前に進むのを空気が邪魔する力)を減らすことにあります。
先に紹介したフェアリングなどは、その役目を果たすために取り付けられています。
また、翼やプロペラも、抵抗は小さく、それでいて揚力や推力は大きくなるように設計します。

↑の写真を拡大したものです。
パイロットがどうやってプロペラを回しているのかというと、コックピットに取り付けられた自転車のクランクをパイロットがこいで回すと、
クランクからチェーン→プロペラシャフトと連動して回転し、シャフト先端のプロペラが回転するという仕組みになっています。
これを駆動系と呼んでいますが、この駆動系を工夫するのがパイロットへの負担を小さくする第2のポイントです。
(自転車でもシティサイクルよりロードレーサーやマウンテンバイクの方が楽にこげるようにね。)
ここでの機体各部の紹介はこれまでです。
あとは、実際に各部を作っている班の欄で紹介しますので、そこを見てください。
最後に一つ。↓のイラストは3面図と呼んでいる図で、物体を前、上、横から見た(投影した)図のことです。
これも覚えておいてくださいね。(↓はPromontoireの3面図)
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