TOYOが2011年8月17日に書いた記事です。
書いた人: TOYO | 11/08/17 18:48 | コメント(0)
更新しよう、更新しようと思っている間にあっという間に鳥コンが終わり、
もう引退になっていました。すみません。
まず、今年どのような作業を行ってきたかを書き、そのあと総括を述べたいと思います。
今年の翼班作業は去年に引き続き展示翼の製作から始まりました。
この目的は、作業工程の見直しと現在の状況の把握を主眼に行いました。
ここから、今年の翼で改善すべき所を洗い出しました。
主な物としては
・肉抜きを含めた翼型の最適化
・リブ立て方法の見直し
・ストリンガーの見直し
です。今でこそまだやってみたいことはたくさんあります。
しかし、製作開始当時見つけた物は以上の物でした。
その後、試験翼の製作を経て本番用の製作に入ります。
しかし、製作開始時期は予定より遅い11月になってしまいました。
その原因は、私が担ったプログラムの改良です。
もっと早く取り組めば良かったと今でも悔やんでいますが、もうどうしようもありません。
マスター作りの開始です。
2年生の成長の早さと作業に対する熱心さもあり、マスターは予定ギリギリの
2月初旬に終わります。
それからはリブ切りです。毎日毎日切ってはチェック、切ってはチェックを繰り返します。
しかしここで、私の計画の甘さを認識させられます。
実は今年から、ストリンガーの穴をリブ切り台で開けることにしたのです。
試験翼では、短い翼幅でしか作っていなかったため、実際の作業負荷を認識していなかったのです。
今までの作業で予定はすでにカツカツ、ロールアウトを遅らせてしまう可能性がありました。
そして起きた東日本大震災・・・。
機体には損傷がなかったものの、あまりの惨状に言葉を失いました。
あの日は一生忘れないと思います。
そして、作業も遅れます。当初の予定では3月下旬に完成予定だったものが、
3月下旬から作り始めることになりました。
春休み中に作り終わらなければ、ロールアウトがいつになるか分からない。
また、TFも多くやりたい、という思いからリブ立てが始まりました。
あの頃の班員は本当によくやってくれたと思っています。
製作方法を変えたため、製作時間は延びましたが、精度は維持しなければならない。
集中力を切らさず作業をしてくれた班員に感謝したいと思います。
その結果、春休みを少しオーバーしたものの、無事翼を製作することが出来ました。
それからのGSU、そこでも問題は起きました。
風が強い中運んだため、リブが破損したのです。
これは防げたミス、もう懺悔の気持ちでいっぱいでした。
その中でも、再び元の形に戻った翼、やはり班員には感謝しても仕切れないです。
その後のTFは桁接合で苦戦はしたものの、破損することなく終わり安心しました。
そんな中、平行して翼端とウィングレットを作ります。
翼端はすんなり終わったのですが、ウィングレットは予定の2倍の時間がかかってしまいました。
特に難しかったのがフィレット、一度作ったものは前縁と後縁のずれがひどく、
作り直すことにしました。
そして完成したのは最後のGSU直前、またもギリギリになってしまいました。
また、最後のGSUの直前は、翼の後縁と前縁材、フィルムを付け替えました。
これまたギリギリ、もっと時間をかけられたらと思うのですが力及ばずといったところです。
そして、本番へ。
あとは19日の放送をお待ちください。
とまあ、こんな一年でした。
他にもやったことはいっぱいあるのですが、一年をまとめようとすると
どうしても収まり切らなくなるのでここら辺で終わりとします。
振り返ってみると、翼はみんながいたからこそ出来た物だと再認識させられます。
ひとりでも欠けていたら今の状態にはなっていないでしょう。
かけがえのない班員たちでした。
そんな翼班に、今年一年どのような主任であるべきかを考えました。
それは、
「人を安心させる」
です。
これには、緊急事態に遭遇しても人を安心させる落ち着きを持たなくてはいけない
という思いからでした。
落ち着きを保っていれば冷静な判断を下せる、という思いも含まれています。
実際、今年は地震やリブの破損といったことが起きました。
果たして、この目標は達成できたのでしょうか。
この一年はいろいろ考えさせられる一年でした。
何が答えか分からない状態から、最適な解へと近づける、この難しさに触れました。
ただ、一つ言えることは一人では何も出来ないということです。
一人一人が出来ることをやると、一つの大きなものが出来上がる。
いい経験が出来ました。
でも、これまでの作業を思い返すと、まだまだ反省すべき点はたくさんあります。
見通しが甘かった点、あそこでああすればと今でも思います。
次から直そうと思っても、もう終わってしまいました。
それでも、楽しかったです。
今だからこそ、翼班主任やって良かったと思います。
最後に翼班のみんなへ
この一年間、こんな私についてきてくれてありがとうございました。
判断ミスとかあってすみません。
みんなと琵琶湖で飛行機飛ばせて良かったです。
2011年度翼班主任 豊川
写真もない字だけのレポート申し訳ありません。
それでは。
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