第一回桁破壊試験
余談
篠田「じゃあさっきのMLがレポ(桁破壊試験のWeb用レポート)といってみるテスト。」
Web管理人「結果の分かってるテストをして楽しいですか?」
ということでまじめにWeb用の文章を書くことにしました。
目的
接合部マンドレルを取り外すときに激しく破損してしまったφ90のマンドレルが使えるかどうかを確かめること。
もしうまく脱型できた場合は今年から新しく試すテーパーのフランジが予定通りの強度が出ているかどうかを確かめる。
試験の様子
とりあえず脱型は幸い問題なく行われたため無事桁破壊試験ができることとなりました。
今回は今年初めての桁破壊試験ということもあって段取りがよく分からず開始時間は予定通り遅れてしまいました。
準備がすべて終わり破壊試験を始められたのは開始予定時刻の2時間後でした。
順番に重りを桁にぶら下げて負荷を増やして行きました。
10kg、20kg・・・140kg。ここまで順調に進みました。
桁の上下と横の張った歪みゲージの値も驚くほど線形的に推移していました。
ただグラフの傾きが予定よりもすこしだけ少ないことを除いては。
さらに重りを増やして160kgまで来ました。
去年だとこの辺で繊維がいくつか切れるような音がしたのですが今回は桁が撓んでいるだけで他に変化はありませでした。
さらに重りを増やしていきます。
220kg・・・・この辺で折れるんじゃないかと思っていたが全然その兆しはありません。
結局260kgすべて吊るしても折れませんでした。
もうあと少しで折れるはずだということでFRP班に頼んで内側にかけていた重りを外側にかけ直してもらいわずかに負荷を増やしてやることにしました。
実はここから先は想定していなかったためかけ直しの作業の間こっそりと応力を計算し直していました。
260kgかけ終ったところでは1.46GPaの応力がかかっている予定でした。
内側の重りを外にかけ直すと最大1.48GPaまで増えます。
これでいくら何でも折れるだろうと思ったのですがびくともしませんでした。
さらに無理を言って一番内側の重りをさらに外側に移してもらいました。
こらで1.53GPaまでいきます。
しかしこれにも桁は持ちこたえました。
結局これ以上内側の重りを移動するのは危険であるため破壊試験は中止しました。
反省
今回の桁が折れなかったのは次のことが原因ではないかと考えています。
- 桁を吊るしていたロープが3点支持になっていたため計算通りの応力がかけられなかった。
- これについては桁破壊試験中に計算し直していて最終的な状態で1.4GPa以上はかかっているはずです。
- 0度層だけを強度に考慮して計算しているため実際は45度層が強度の影響していた。また製作の都合上シートが余分に使われているのが影響した。
- これは歪みゲージの値が計算値より低いことからかなり有力ではないかと思います。
- 私の単純な計算ミスであった。
- これも可能性はありますが計算ミスてほど歪みゲージの値はずれていなかったのでおそらく違うと願います。
結局今年使用する領域では桁の強度が十分あることはわかりましたがやはり破壊の仕方を確かめたいのでもう一度破壊試験をすることにしました。
それに1年生にも桁が破壊する様子を見ておいて欲しいのでやはり折ります。
今度は160kgの重りを用意して最大1.7GPaまでかけられるようにします。
今度こそ何がなんでも折ります。