模型飛行機大会各班報告
1班
機体編
何か面白い機体を作ることができないか、と話し合った結果た取りついたのが「操縦電装」でした。操縦電装はそこそこうまくいったわけですが、それは山田(兼)の書く文章に譲るとして、ここでは、電装の影に隠れがちな機体の設計・製作について書きたいと思います。
繰り返しますが、1班の機体の基本設計は、「グライダーのような低速機に操縦電装をつける」ということでした。今回は、技術的・経済的(?)理由から、到達距離の短い赤外線を用いることになったため、「人間が走って追従できる」ことが機体をコントロールするための必要条件でした。そこで
- ベースとして、模型飛行機のラジコン操縦グライダーを採用
- 低Re(レイノルズ数)に適した翼型を使用
- ハイアスペクト比の翼(福田の趣味)
という設計にし、機体製作を開始しました。しかし、この設計方針がこの模型飛行機大会においては最悪の方針だったということがあとからわかりましたが、それについては後述します。
- 主翼桁
- ヒノキの角材をT字に組み合わせるというマニアックな方法で強度を確保しました(桁穴あけが地獄でした)。一本の桁を採用した翼としては、かなり強度が出ていたと思います(手で折るのも苦労したし)。
- リブ・フィルム
- リブは、基本的にスタイロを使用し、強度が求められる部分にはバルサを使用しました。全部バルサが良かったのか、こちらのほうが良かったのかは今でもよくわかりませんが。
さて、設計方針についてですが、大会の様子を見ていた人はわかると思いますが、1班の機体が飛ばなかった最大の要因は「翼の強度不足」でした。桁自体の強度は十分でしたが、桁を中心としたねじれ・あるいは前後方向のたわみに桁同士の接合部が耐えることができませんでした。
優勝した班と模型屋の目黒さんの機体に共通するのは、低アスペクト比で、頑丈な翼を使ってできる限りの初速を与えるということでした。この場合の利点は、翼面積が小さくできること・長方形に近い翼であることで、強度上かなり有利であることです。これによって思いっきり投げることができます。
そうすりゃよかったな。
文責 福田
電装編
私達の機体にはコントローラーを操作することにより、無線で水平・垂直尾翼を操作できる機能がついていました。仕組みに関しては、テレビのリモコンをイメージしてもらうのが分かり易いと思います。テレビのリモコンには先端に、電流を流すと赤外線を出すLEDがついており、これをテレビ側の受信機で読み取っているのですがこれと同じことをしている、つまりコントローラーの先端に同じLEDをつけ、ボタンを押すとそれに対応したパターンの赤外線を出し、それを機体に取り付けた受信機で読み取っていました。
この電装系は室内においては5〜6m(当社比)の距離から尾翼を操作することができ、僕が自ら併走すればこの射程距離でも何とかなるのではないかという希望的観測に基づいて本番に臨むことになったのですが、予想に反して思うように飛行距離が伸びず、
「電装なんてただのバラスト(重り)」
という意見の一致に至ってしまい、最後には無惨にもむしり取られた・・・というか僕がむしり取ったのですが、幸いにもアイディア賞を頂き、なによりも多くの人に楽しんで頂けたという点においてこの挑戦は成功だったと思います。
最後に、この電装系の製作は後藤君によるところが大きく、また福田君達班員の理解があったからこそ成功したのだということを書いて報告を終わりたいと思います。
文責 山田
2班
夏休みの後半を持っていった模型飛行機大会も9/28に終わり、今は後期の授業も始まっています。
あの凄まじかった20日間をどのようにレポートにまとめるか。それも〆切は今日という状況下で。
…睡眠時間と内容のどちらを削るかという大戦争が僕の脳内でおこっています。…五味さんすみません。レポの存在を忘れていました。
まず2班「TEAM毒キノコ」は最初に試作機を作ろうと計画しそれを実行に移しました。
他の班が純粋に勝負に出ているので一つくらいは面白い機体をと、「くし型&セミモノコック胴」なんてことをしてみました。
トンボの胴を太くしたのを想像したらそれが試作機のイメージになります。
17日にその機体は完成したのですが如何せんねじりに弱く、前翼と後翼がねじれの位置に存在するという非常にふざけた機体になってしまい、本番機では形状を変えることにしました。
試作機は持ち上げただけで胴がねじれるというヘタレ機体だったのでTFはやらずに本番でお遊びで飛ばそうと思っていたのですが、ある人におしきられてTFをやる羽目に陥りました。…予想どおりに大破。あまりのやるせなさにスロープを下まで転がった人、転がったせいでその数日前に取った免許ごと財布を落とした人、財布を見つけてもらったお礼にアイスをおごった人、が発生。
そして他の班がTFをやっていた中、僕らは本番機の製作を始めました。
性懲りもなくというか意地というか、時間もないのにまた格好いいものを作ろうと動きました。むしろ格好良ければそれでよしってな気分でしたね。
何日かの徹夜の後やっと本番機が形になり、TFをやろうとした24日。事件は起きました。自重で翼桁が折れたのです。
強度に問題ありとの指摘は正解でした。翼胴接合部にヒノキを2本入れてこの問題に対処しました。
翼の補強をした後何回かTFをしたのですが思ったより飛ばないことに不安を感じていた25日深夜。機体クラッシュ(胴大破、翼桁折れ)の後、ある衝撃的な事実に気付きました。
それは設計計算ミスにより理論上このままでは飛ばないという事でした。
翼の強度を上げて、重量を減らす…こんな矛盾したことを成し遂げなくてはならなかったのです。
この時点での機体総重量511g。
胴体をばらして部品ごとに可能なまでにやすり、翼翼接合もMDF板からカーボン補強に変え、水平垂直尾翼も小さくし、何とか480g弱まで落としました。
それ故に28日の本番に持っていった機体はTFを一回もやってない機体でした。
飛ぶのかも、翼が持つのかさえも、わからぬまま飛ばした一回目でなんと飛距離11メートル。これはTFでも出したことのない記録です。
電池がなくなった後にモーター類を全部はずしてグライダー形式で飛ばしたら16メートル弱飛んで(なんかおかしいぞ)、結果2位となりました。
学校に10日泊まった甲斐ってものがありました。気持ちいいものですね。飛ぶと。
ここで我等が機体「エイトリー」の特色を紹介します
胴体内部に重りを乗せる | 格好良さ追求のため |
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翼胴接合がマジックテープ | 翼を守るためクラッシュ時に外れる機能+重心位置決めが楽 |
足付き | プロペラ+機体の保護 |
ほぼバルサ材 | 軽さ追求 |
ところどころカーボン | 軽さ+強度追求 |
翼長 | 2460mm |
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機体重 | 480g弱 |
機体名の由来 | ……ATだって運転免許だよヽ(`Д´)ノ ウワァン |
文責 細川
3班
今回の模型飛行機は本当に大変でした。班を決めた日に自分が設計をすることになり、初めは何から始めれば良いかわからずただもらったプリントの通りに計算を始めていきました。自分たちの班はとりあえずゴムを動力とし、翼桁にGFRPを使って壊れない丈夫な機体を作ることになりました。また翼型はDAE21を使いました。また胴体の部分はヒノキを使いました。まずは作ってみないとわからないことがたくさんあったので、TFを行う日を決めてその日を目標に作業を進めていきました。
作業はまずリブ切りから行い、バルサでマスターを作ってからスタイロを翼型に切りだしていきました。つぎにリブを桁につけ、前縁材として上質紙を用い、さいごにサランラップで翼を作り上げました。次に各部分の接合部を桐やバルサを用いて作り、プロペラを取り付けていきました。
メンバーみんなが頑張って作業をしてくれたおかげで、比較的早い段階で機体ができ、多くのTFを行うことができました。始めは非常に順調だったのですが、途中からなかなか安定したフライトができず、だんだんと他の班の機体が完成していくのを見ているうちに自分の班の機体のポテンシャルが低いような気がして、不安な気持ちが募っていき、焦りの気持ちさえ生じるようになっていました。「もともと自分はエコノの班に所属しているのに、飛行機の設計をするなんてのは場違いだった・・それでもここまで作ってしまっては初めからやり直すことはできない、これで飛ばなかったら他のメンバーに本当に申し訳ない・・・しかも自分は不器用な人間だから作業をしてもうまくいかないことばかり・・・。」そんなことばかり考え、ただただ自分の能力のなさに幻滅していました。そんなことばかり考えていたためにストレスもたまり、一度それをメンバーにぶつけてしまったこともあり、本当に情けないと思いました。それでも機体を飛ばすにはTFをやるしかなく、ただひたすらにTFの回数を重ねていきました。そして第7回のTFの最後にはじめてきれいな形で機体が飛んでくれ、そのときは本当にうれしい気持ちでいっぱいになりました。そして模型飛行機大会当日までに全部で11回のTFを行うことができ、本番までに確かな手ごたえを感じることができました。
本番ではいつもよりも多くゴムを巻いたために途中でゴム止めが壊れてしまい、結果は14メートルとあまり満足のいく結果は得られませんでした。しかし、多くのTFの中で何度か美しい姿で飛んでくれたので、おおむね満足はしています。今回の模型飛行機は自分の中ではとても有意義なものになりました。
文責 高見
4班
模型飛行機大会は、思い通りに飛行してくれなくTFの大切さを改めて実感させられた。 うちの班の機体は
テールビーム | 90センチ |
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主翼 | 182センチ |
尾翼 | 適当(はじめは銀本より計算したが、目黒さん(模型屋の方)にもっと小さくてもいいんじゃないかとか抵抗がでかいんじゃないかと、言われ作りなおした) |
てな感じの機体で主翼が小さいのが特徴。
あと主翼とテールビームの固定するところが大会前はフリー構造にしていたので少し壊れにくくしていた。
自分は製作したテールビームを作ったが却下され、それから設計の計算とかバイトで製作班員に任せてたら製作まったくしてないことになってしまった・・・。
TFは数回したがすべて納得いく結果じゃなくチーム自体にいやな空気が流れていたが、最後のTFで目黒さんが見に来てくれて投げるアドバイスをもらってなげてみたら、今まではぜんぜん飛ばなかったがこの機体は本当はすごく飛ぶのを見せられてチームにも活気がでたが、そのあとは雨のせいでTFができずに大会当日になってしまった・・・。
大会当日TFができなかったので機体の重心位置が出てなかったが、出てなくても前のTFでそれでも飛んだのでちょっと甘い気持ちがあった。
実際大会の飛び方はひどかった
一回めは急上昇で落下最後は地面効果(?)で少し機体を持ち直して着地、重心が少し後だったと思う。
二回目は投げた瞬間尾翼がとれ落下、このとき主翼とシャフトが壊れてが治せる範囲だったのであわててなかった。
三回目は綺麗に滑空してくれたように見えたが、今度は重心が前すぎた。このときにかなり壊れてしまい時間的にも今度が最後のチャンスだと思われた。
四回目は二回目と同じく尾翼がとれ急落下した、このときに修復できないほど壊れた。
今回はたまたまほかの班の調子が悪くて優勝できたが、自分も班員も心から喜べるものではなかったと思う。
工大際で機体を修復したら、今度は納得行くまで飛ばしたい!
それにしてもうちの班員は優秀だった〜いつまでにやっといてといったら本当にやってくれたからね
本当にありがとうございました!!
でも機体製作に少しかかわりたかったな・・・(あのテールビーム使いたかったな〜)。
文責 村瀬
5班
うちの班は本気で優勝を狙って模型飛行機を作ろうということをコンセプトに製作を始めました。ということで班決めの翌朝、九時に集合し話し合うというMeister的にはありえないことから作業に入りました。大まかに機体について話し合いました。とにかく軽く作ろうということでバルサ主体の飛行機に決定しました。が、設計で一番最初に翼長を決めてしまい、計算もせずにすべて「こんな感じでいいんじゃない」みたいなノリで秋葉原の模型飛行機店に直行してしまいました。これが最初の過ちでした。今思えばここで間違いに気付くべきだったのですが・・・。。あとで聞いた話なんですが飛行機の設計ははじめに機速とか重量とか翼面積から決定していくそうで・・・。まあとにかく理論から入るそうで・・・。そんなことも気にせずに翼長が2メートルであるときに必要な推力が得られそうなモーターを後日買っていきました。
そんな感じで製作していったのですがリブを作るのときに第二の過ちをおかしてしまいました。ネットで翼型を探してきたのですが拡大するのがめんどくさいということでプリントしてきたものをそのまま使用してしまいました。このときに誰も注意しなかったことが悔やまれます。これが後々尾を引くことになり・・・。そんな中、あることがきっかけで揚力を計算してみようということになり、今の2メートルの翼長では飛ばない、翼面積が足りない、翼をのばそうという安易な発想で翼延長手術が始まりました。で、結局翼長が3メートル70センチを越すありえない機体が出来上がってしまいました。また大会直前にモーターの出力が足りないとかで買い換えたりしまして制作費がおそらく一番高くなったり・・・。TFやっているうちに主桁をヒノキに変えたりしているうち機体が重くなり強度を犠牲にして軽量化をはかり結果はみなさんがご存知のようになりました。
ここでうちのチームの機体名について説明を少々。
機体の各部位に名前をつけようということになりMeisterのA桁らへんのバナナに対抗して翼胴接合部分を「りんご」と名づけました。機体名はここからきています。ちなみに翼胴接合部分(A桁)とB桁の接合の補強材を「りんごの枝」、B桁とC桁の接合の補強材を「りんごの小枝」と言い、胴体桁を「りんごの幹」、迎角調整部分をタッシーに対抗して「ネッシー」、微調整用の薄いバルサの破片を「ネッシーのえさ」といいます。
文責 大久保