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WEM GP(World Econo Move Grand Prix)の概要を説明します。(文責 飯塚)


Grand Prixの説明
「グランプリ」とは「大賞」を意味します。
つまり、ある数の大会があって、その中で最も優秀な成績を収めたチームがグランプリを得られるわけです。
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伝統ある大会、「WEM(秋田大会)」。

エコノムーブは1995年に始まり、2002年からグランプリ制が導入されました。
今年は年間6戦でのグランプリとなっています。
各大会で、結果によるポイントが与えられ、その合計でグランプリが決まると言う方式で、各大会で優勝を逃してもグランプリに輝くチャンスはあるわけです。
むしろ、強豪チームが多くなってきている今、グランプリをとるほうが難しいのではないか?と考えます。
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スタートを目前に迎え、緊張の時。

各大会はそれぞれ異なった特徴を持っており、一つの大会に焦点を当てた車体ではグランプリを制することは難しく、車体性能だけでなく、走り方に自由度を与える拡張性もまたグランプリには要求されます。


各大会に共通するレギュレーション
エコノムーブにおける主な制限は、
・車体の大きさについて長さ、高さ、幅がそれぞれ3m、1.6m、1.2m以内であること
・ドライバーの重量を70kg以上とすること(足りない場合は錘をのせる)
・バッテリーは大会側の用意するものを使用すること


それ以外のことはほとんど自由であり、形状やモーターは全て想いのままである。
よって、様々な形の車体が存在する。


2004WEM GPの紹介

第1戦:Eco Car Festa 4/10〜11 滋賀県・クレフィール湖東
 単純な周回コースだが、3%勾配が曲者。単純だが、エネルギーマネジメントに工夫が必要。

第2戦:2004 WEM 5/3〜4 秋田県・大潟村スポーツライン
 エコノムーブ発祥の大会。'03レポートでも説明してあるが、車体の性能が問われる大会。

第3戦:2004.W.E.V.C in SUGO 8/21〜22 宮城県・菅生サーキットランド
 最も勾配のきついコース。10%勾配は普通に歩いてもきつい上り坂!そこを上らなくてはならない。
 近年スピードレース化の傾向が強い。使用できるバッテリーも秋田大会の2倍以上の電力を持つ。

第4戦:2004 WEM in Toyota  9/3・5 愛知県・豊田スタジアム
 豊田スタジアムを周回する単調なコース。狭いコースのため、他チームとの駆け引きが難しかったり、路面が一部悪いためにパンクしやすかったりする。

第5戦:8th EV enjoy trial in 白浜 10/30〜31 和歌山県・旧南紀白浜空港
 旧飛行場で行われる。

第6戦:EM YRPチャレンジカップ 11/13〜14 愛知県・幸田サーキット
 かなりテクニカルなコース。秋田大会と全く対照的なコースであり、求められる車体性能も全く異なる。


エコノムーブの歴史
エコノムーブには9年の歴史があります。歴史としては浅いですが、その発展には目を見張るのもがあります。

■形状のお話
もともとエコランから発展したエコノムーブはその形も当時のエコランのものとほとんど同じでいわゆるペンシル型と呼ばれるもので、知っている人も多いのではないでしょうか。

年を重ねるにつれ、その形状はフルカウル型(タイヤを含む、全ての部材がカウルの中に納まっている形状)へと移行してきました。
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Meister2003年度の車体「Sleipnir」もフルカウル型。

シャシ構造も、初めはアルミなどの金属によるスペースフレーム構造が主流でした。
これは安価で作りやすいことが特徴です。
最近ではカーボンモノコック構造が主流となってきました。
カーボンは金属と比べ比強度が大きく、軽量化の立役者として様々な部品に利用されています。

■モーターのお話
エコノムーブの動力であるモーターもまた進化をして来たものの一つです。
エコノムーブの速度域が比較的低速なことから、電力消費を一番左右するものとしてはモータの性能であると考えられています。
(参考:空気抵抗は速度の2乗に比例するため、低速では小さいが、エコノムーブでは馬鹿にならない要因ではある。
さらに、形状が流線型(Cdがいい)であることが前提の下での所見であることに注意が要る)
モータは、その特性上、高速回転時したほうが省エネになります(最効率点が高速回転によっている。)。
また、その回転数はエコノムーブの巡航速度から計算される回転数よりもかなり高いために、多くのチームがチェーンやギヤを使って減速をしていました。
現在でもそのようにしてモータを使うチームが多いのですが、一方でDDモーターというものが普及してきました。
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これはDirect Driveの略で、タイヤに直にモーターが付いているものを言います。
こうすることで、減速機構での動力の伝達ロスをなくすことが出来ます(回転数が低くても高効率となるように工夫が凝らされています)。

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