操縦・電装系は、操縦システムの設計を担当する操縦系と、計測機器の設計を担当する電装系
から成り立っています。
□操縦系
Meisterの操縦方式は、ワイヤー方式ではなく、電気信号を利用するフライバイワイヤー方式を使用しています。
フライバイワイヤー方式とは、操縦者がハンドルをきったときの切れ角を電気信号に変換し、その信号を尾翼に
ついているサーボーモーターに送って、尾翼を動かす方式のことです。
電気制御のためハンドルの形状に対する制約が少なく、パイロットにあったハンドルを製作することが出来ます。
また、テストフライトにおけるワイヤーの厄介な取り回しがなくセットアップが簡単、設定をデジタルデータで
保存できるため再現性が高い、などの利点があります。
本年度はサーボモーター用電源として、従来のNiCdに代わり、Ni−MH・Li−Ion2次などの、
よりエネルギー密度の高い電池を検討中。また、製作練習も兼ねて、微妙に構成の異なる複数の尾翼接合部を
試作し、構造・電気の両面から、テール部分の軽量化を目指しています。
□電装系
電装系では、今までビデオでしか残しておくことが出来なかったテストフライトの飛行記録を、
より客観的なデータとして残すためのセンサー類、及び、パイロットにその情報を伝達するための
表示機類の開発を行っています。昨年度は、機体の対機速度をはかる機速計、ペダルの回転速度を
計る回転計とそれらのデータを格納するロガーを搭載しました。
昨年度をもって通信システムがほぼ確立したため、本年度はこれを継承し、これまでその開発に
費やされていた時間を、より多くの新計器にこのシステムを組み込むことに使用して、さらに
多くのフライトデータを収集することを目的とします。
また、パソコン側のデータ解析ソフトも機能を強化し、単独ではでは分かりにくい、多様な
計器の生データを統合して、実用的な情報に変換した上で設計サイドに渡せるようにします。